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 乳がんの再発を防ぐために行う薬物療法に用いる薬は、ホルモン療法薬、分子標的薬、抗がん薬の三つに大きく分けられます。

 治療薬の選択に際しては、「効く薬を効く人にだけ使う」「効かない薬を使って副作用を招くのは避ける」という考え方を重要視し、乳がんのタイプに応じて適切な薬剤が選ばれるようになりました。乳がんのタイプを決定づけるのは、「ホルモン感受性」と「HER2」です。

 また、一言で乳がんといっても、比較的おとなしいタイプ、暴れ者タイプというように“性格”に違いがあります。組織学的グレード(核異型度)や増殖スピード(Ki67インデックス、以下Ki 67 )といったがんの性格を病理検査で細かく調べ、がんの進行度も考慮したうえで、どの薬剤を用いるのか、1種類でいいのか、組み合わせて使うべきかといった治療方針を決定します。

受容体ゼロでなければ、ホルモン療法を行う

 がん細胞に、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンを受け取る、受容体があるホルモン感受性陽性(以下「ホルモン陽性」)の乳がんなら、ホルモン療法を行います。

 以前は、エストロゲン受容体の発現が10%未満の場合を「陰性」とし、抗がん薬療法の適応になっていましたが、受容体の発現が1%でもあれば、ホルモン療法が推奨されることになりました。

 なお、受容体の発現率が高いほどホルモン療法が効きやすいかどうかについては、大規模な解析が行われていません。例えば、発現率が1〜10%の場合と50%以上の場合を比べて、効果が同等であるとも、発現率が低ければ効果は低いともいい切れないのが現状です。

HER2陽性なら分子標的療法も

 HER2(がん細胞の表皮にある成長因子受容体2型)たんぱくがたくさん発現しているタイプ、つまりHER2陽性なら分子標的療法を行うのが基本です。HER2陽性で分子標的療法を受ける患者さんは、この治療を行うのと同時、あるいは順次、抗がん薬療法を行います。

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