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 乳房温存術は、病巣のある乳房の一部分を切除する手術で、病期(ステージ)が0期、I期、II期の乳がんに対する標準治療です。

 日本乳癌学会の全国乳がん患者登録調査報告( 2008年次症例)によると、乳房温存術は新規乳がん患者さんの約6割に行われており、最も多く選択されている手術方法です。

 これまでの研究から、乳房温存術後に放射線療法を組み合わせれば、生存率は乳房切除術と差がないことが証明され、日本国内では、1990年代初めから乳房温存術の手術件数が急速に増え続けました。

温存できるのは原則3cm以下

 乳房温存術は、乳房内の再発(局所再発)リスクを高めることなく、患者さんが満足できるきれいな乳房を残すことを目指して行われます。

 海外では、乳房温存術の対象となる腫瘍の大きさは、4cm以下とするガイドラインが多くなっています。

 一方、日本の乳房温存療法ガイドラインでは、乳房温存術の適応は原則3cm以下です。こうした違いがあるのは、「日本の乳がん治療が保守的だから」ではなく、日本人の比較的小さな乳房では、3cmを超える大きな腫瘍を切除した後に、ゆがみのないきれいな乳房を残すことが難しい、という考えからきています。

 腫瘍が完全に取りきれて、見栄えよく乳房を残せると判断されれば、腫瘍の大きさが3cmを超えても乳房温存術の対象になり得ます。

 乳房温存術には、乳頭から扇形に切除する「乳房扇形切除術」と腫瘍の周囲に2cm程度の安全域をとった「乳房円形切除術」があり、腫瘍の部位や広がりによって選択されます。

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