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親ががんになった子どもの心を、支える活動が始まっています

子どもを“蚊帳の外”に置かないで。
幼くてもきちんと話すことで、心が安定します

 母親ががんになったとき、子どもに病気のことを伝えるか否かは悩ましい問題。「ショックを与えるのでは」「話しても分からない」と、伝えずに治療を続ける人もいますが、「子どもは親の変化に気づいているし、ひそかに心を痛めてもいる」と指摘するのは、Hope Treeの代表でもある医療ソーシャルワーカーの大沢かおりさん。「親が話をしないと子どもは疎外感を覚え、不安になります。闘病でつらそうな親を見て『自分のせいでママが病気になった』と自分を責める子も少なくありません。年齢によって理解の程度は違いますが、その子に分かる言葉で伝えたほうが、子どもは安定します」(大沢さん)。

Hope Treeがすすめる乳がん患者とその子供のための絵本。『おかあさん だいじょうぶ?』(小学館/1260円)は親子で乳がんに向き合うコミュニケーションツールの参考に。左は『お父さん、お母さんががんになってしまったら』(ピラールプレス/2625円)

 一般に、がんが生命にかかわる病気と分かるのは、小学校低学年くらいから。「お母さん、死んじゃうの?」と心配するなら「今は心配ないよ。もし病状が変わったらきちんと話すね」と伝えればいいのです。また子どもは、親の闘病が自分の生活にどう影響するのかを心配することが多いため、子どもの食事などの日々の生活を誰がどうカバーするのか、話すことも大切です。「正直に伝えると、子どもは自分も家族の一員で、親を支えられるという自尊心を持てます。家族それぞれのやり方で話し合ってみてください」(大沢さん)

「Hope Tree〜パパやママががんになったら〜」とは
 Hope Treeとは、がんになった親と子どもをサポートするグループ。チャイルド・ライフ・スペシャリストや小児科医、臨床心理士、看護師、医療ソーシャルワーカーなどのメンバーが2008年に立ち上げた。厚生労働省のがん臨床研究事業の一つとして、ウェブサイトを運営するほか、乳がんの親を持つ子どもの心のケアプログラム「CLIMB(クライム)」の運営メンバーとしても活動中。CLIMBは現在は東京共済病院(東京都目黒区)を会場としているが、今後は全国各地の病院での実施を目指し、プログラムの指導者を養成する。7月から臨床心理士や医療関係者を対象に「CLIMBプログラムファシリテーター養成講座」を開講予定。

Hope Treeの活動の詳細はこちらへ! http://www.hope-tree.jp/

(2013年2月8日更新)