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 各地の医療機関に設置されている「がん相談支援センター」は、がん患者とそのまわりの人たちを精神的・社会的にサポートするための機関。「がんを告知されて心が折れそう」「本当にこの治療でいいのか分からない」。
“がん特有”の不安や疑問に、専門スタッフが対応、ガイドをしてくれます。悩んだときは相談してみてください。

樋口由起子さん
社会福祉士、精神保健福祉士。
2004年より九州がんセンターで、09年より国立がん研究センター中央病院で、専従相談員を務める。相談支援センターでの相談業務のほか、がん教室などの啓発活動も行う。

 治療上の困難に直面することが多いがん患者に対し、社会的・精神的支援を行うのが「がん相談支援センター」です。2008年に厚生労働省が全国のがん診療連携拠点病院に設置を義務づけることを通達、近年は、診療拠点病院でなくとも、がん診療を行う医療機関を中心に相談支援センターは増えています。本誌が実施したアンケート調査でも、乳がん治療を行う医療機関の約8割が何らかの相談窓口を持っていました。

 「がん相談支援センターには、研修を受けた専門の相談員がいます。がんの特徴や治療法、がん患者に特有のニーズについて知識を持った専門スタッフが相談を受けるので、より具体的かつ効果的に、がん患者さんの支援ができます」。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)で、年に2000件余の相談を受ける樋口由起子さんは、相談支援センターと一般的な医療相談窓口との違いを、こう説明します。

がん診療連携拠点病院では、他院の患者の相談も受け付け

大沢かおりさん
医療ソーシャルワーカー、社会福祉士、精神保健福祉士。
1991年より東京共済病院がん相談支援センターの専任相談員。がんになった親と子どもを支える活動を行うHope Treeの代表。

 患者本人のほか患者の家族や周囲の人からの相談も受け付けます。相談は電話や対面などで行われ、費用は無料。相談内容は原則として、本人の了解なしに医師や他のスタッフに伝えられることはなく、また相談した医療機関や特定の医師を受診するよう強制されることはないので、相談した患者さんが不利益を被る心配はありません。

 自分が通う病院に相談支援センターがない場合、地域のがん診療連携拠点病院の支援センターが使えます。東京共済病院(東京都目黒区)がん相談支援センター相談員の大沢かおりさんは、「がん診療連携拠点病院は、地域のがん患者からの相談を受けることも業務の一つ。その病院に通っていなくても、遠慮せず連絡してみて」と話します。

 では実際、がん相談支援センターでは、患者や家族の悩みにどのような対応を行うのでしょうか。テーマ別に、よくある相談と支援の例を紹介します。