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再建に理解のある施設で、手術から受けるのがベスト

矢野健二さん
大阪大学大学院医学系研究科乳房再生医学寄附講座教授
高知医科大学医学部卒業。国立呉病院形成外科医長などを経て2000年から大阪大学へ。2010年より現職。患者さんの満足度を追求し、乳腺外科医との連携で乳がん術式に応じた再建を実践。症例数は1000を超える。

 再建するかどうかは患者さん本人の意思で決めるべきこと。しかしいずれにしても、結果に後悔しないためには、乳がん手術後の乳房がどのような状態になるかを、手術前に主治医に確認することが大事です。

 「温存できるといわれたら、乳房のどの部分をどのくらい切除するのか、その結果、どのくらい変形するのかを確認し、再建が必要かどうかを検討して。もし主治医が『再建なんて』と理解を示さないようなら、その医療機関で手術を受けるのはやめ、再建まで視野に入れて手術してくれるところを探すほうがいい」と矢野さん。

 では全切除の場合は?「初めから自家組織再建を望むなら、乳がん手術と同時に再建する一期再建がベスト。それができる医療機関で手術を受けるのがおすすめ。自家か人工物かをすぐに決められなくても再建を望むなら、手術時にエキスパンダーまで入れてくれる医療機関で手術を。後でどちらの方式を選ぶにしても、乳房の皮膚を伸ばしておくことが、きれいな再建には大切です」と岩平さん。

 再建を行わない医療機関がすべて理解がないわけではなく、自施設内では手が回らないという事情のところも。「その場合、ほかの医療機関を紹介してくれるケースも最近は増えてきた」と矢野さん。「患者さんが声を上げることで、医療体制が変わる。乳腺外科と形成外科との連携が進み、再建が受けやすい環境が整っていくことを期待しています」(矢野さん)。

 なお、最近は人工物再建を行う美容外科クリニックも増えていますが「中には医師の専門が形成外科ではない施設も。形成外科のトレーニングを受けた専門医を選んで」(矢野さん)。「実績の豊富なところ、乳腺外科のある医療機関との連携がとれていることも目安に」(岩平さん)。施設選びには、下記のリストも参考にしてください。

再建を考えたとき、頼りになる形成外科医

(2013年2月8日更新)