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 乳がんの手術後、最も生じやすい副作用の一つにリンパ浮腫があります。わきの下のリンパ節を切除することによって、リンパ液の流れが悪くなるのが原因です。手術を受けた乳房側の腕に、むくみなどの症状が出て、重症になると、腕の太さが以前の何倍にも膨れ上がります。

 センチネルリンパ節生検のみでリンパ節郭清を行わなかった場合、リンパ浮腫を生じる可能性は格段に下がります。ただし、まったく起こらないわけではありません。

 症状は手術の直後から出始めますが、数年たってから初めて症状が出る(晩期障害)ケースもあります。

 目に見えるほどの腫れが生じる前には、「腕がだるい」「腕が疲れやすい」「手がこわばる」「ものを落としやすくなった」といった自覚症状が表れることもあります。

 なお、術後しばらくの間は、手術した側の肩・胸・背中に腫れぼったさを感じるかもしれませんが、これは手術自体の影響が大きく、リンパ浮腫に特徴的な初期の症状ではない可能性もあります。

腕に負担をかけない生活を

 手術を受けたすべての人にリンパ浮腫が発生するわけではないものの、多くの患者さんを悩ませているのも事実。リンパ浮腫を起こさないためには、なんといってもリンパ液の流れを妨げないことが大切です。

 日常生活では、きつい下着や衣服を身に着けない、腕時計や指輪で局所的に締め付けない、同じ姿勢を取り続けない──といったことを心がけましょう。腕への負担が大きい家事や介護、子どもの世話などは、あまり頑張りすぎず、休憩を取りながら行ってください。

 太ると脂肪によってリンパ管が圧迫され、リンパ浮腫を悪化させます。肥満は乳がんの再発との関連性も指摘されていますから、体重管理はさまざまな側面から重要といえます。

 また、皮膚を傷つけないように注意しましょう。炎症が起きるとリンパ液が皮下組織にとどまり、浮腫を起こしやすくなります。そればかりではなく、細菌感染から蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ぶリンパ浮腫の合併症を引き起こすことがあります。

 皮膚は常に清潔に保ち、炊事や掃除の際はゴム手袋、庭仕事では厚手の手袋や長袖の服を着用しましょう。

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