「研修医として学んできた知識および臨床力をクイズ形式で競い合うレジデンピックResidenpic)は、自らの力を試す場であり、新たな学びを得る場となる」。実行委員長を務める徳田安春氏(群星沖縄臨床研修センター長)がこう力説するレジデンピックの本選が1月21日、東京・六本木のアークヒルズクラブで開催されました。300人余りが予選に参加し、本選に進んだのは成績上位の24人。徳田氏らドクター軍団に挑戦した若手医師たちの熱い1日を追いました。



写真1 レジデンピック実行委員のメンバー(左から、島根大学の和足[わたり]孝之氏、聖路加国際病院の水野篤氏、群星沖縄臨床研修センターの徳田安春氏、順天堂大学附属練馬病院の坂本壮氏、順天堂大学の高橋宏瑞氏)

 1月21日9時過ぎ。東京・六本木のアークヒルズクラブの会場に、昨年11月にオンラインで行われた予選を勝ち抜いた研修医が全国から集結した。大会事務局によると、2017年11月17日から3日間行われた予選に挑戦したのは308人。10分間で15問のオンラインクイズに挑み、正答数と回答所要時間によって、上位24人が本選にコマを進めた。

 本選では、無作為に選ばれた3人が1つのチームを編成。計8チームが臨床クイズに臨んだ。まず準決勝が午前と午後の2部構成で行われ、獲得した点数の高い上位3チームが徳田氏からの挑戦状(出題)に挑む優勝決定戦に進んだ。

 9時半。レジデンピックの主催者を代表し、リーズンホワイ株式会社代表取締役の塩飽哲生氏が開会を宣言。レジデンピック実行委員のメンバーである順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科の坂本壮氏、島根大学医学部附属病院卒後臨床研修センターの和足(わたり)孝之氏、聖路加国際病院心血管センター・循環器内科の水野篤氏、順天堂大学医学部総合診療科の高橋宏瑞氏の4人が登壇し、それぞれ大会の意義を語り、予選を勝ち抜いた出場者を称え、激励した(写真1動画1)。

動画1 レジデンピック本選の開会宣言、実行委員メンバー医師からのメッセージ(約7分)

 準決勝の第1問は、急造チームの緊張をほぐすためのアイスブレイク。手元に配られた材料(マシュマロ、セロハンテープ、糸、パスタなど)を駆使して、時間内に最も高い建物を作るのが課題だった。建物の条件は、マシュマロをてっぺんに載せていることと、自立していること。この作業を通じて、今回初めてチームを組んだ3人の距離が縮まっていった(写真2〜4)。

写真2〜4 限られた材料と時間内でどれだけ高い建物を作れるのかを競う

 アイスブレイクに続き、高橋氏と和足氏によるクイズ形式の臨床力テスト、水野氏の「心電図バトル」、坂本氏の「プレゼン力競争」と準決勝が進む。それぞれの実行委員メンバーから、挑戦状が研修医たちに提示されていく。

楽しく学ぶことが学習継続の鍵

 高橋氏の挑戦状には、ビンゴゲームの要素も加味。難易度に応じた10点、20点、30点、50点の問題がそれぞれ4種類、計16問が提示され、縦と横あるいは斜めで1列全てを正解したチームにはボーナス点が加算された。出場チームは順番に、ビンゴを意識しながら1問を選んでいく。回答は全チームが行い、正解したチームは点数をゲット。「楽しく学ぶことで(学習が)続けられる。今後の医師の道でも同じことだ」(高橋氏)。

 例えば高橋氏の挑戦状では、こんな問題が出された。

Q1 75歳男性のCPA患者の要請が入った。救急隊が適切な胸骨圧迫を行ってはいるものの病院到着時心拍は再開していない。本症例において蘇生中止の判断材料となるものを2つ答えなさい。

1 心肺停止の目撃がなく、初期波形がVF
2 心肺停止の目撃がなく、初期波形がPEA
3 心肺停止の目撃がなく、深部体温が30℃
4 気管挿管後のETCO2値が、蘇生開始後5分で10mmHg未満
5 病着後の心エコーで心臓の自発的収縮なし

(答えは文末に掲載)

指導医になるための心得を

 2番目に登壇した和足氏は、ビデオ(「指導医あるある物語〜知っておきたい指導医の心得〜」。監修:筑波大学附属病院総合診療グループ長の前野哲博氏 制作:アステラス製薬株式会社・株式会社ケアネット)を基に出題。失神を経験した患者の診察に当たった女性研修医が、疑問点を指導医に尋ねるというシーンが流れ出した。

 まず展開されたのは、ダメな指導医の対応例。ときどき出場者から苦笑が漏れる。和足氏は「ビデオで描かれた指導医は身近にいるかもしれない」とコメント。そして一旦ビデオを止めて問題を提示した。「悪いと考えられる5点を挙げてください」。

 次にまともな対応例が提示される。今度は、悪い例と比較して、どの点が改善されたのかを5つ挙げることが求められた(写真5)。

写真5 指導医の心得について回答を話し合う参加者

 「今回の問題は、いずれ指導医となる研修医に今の段階から、指導医としての研修医に対するふさわしい行動は何なのかを考えてもらうのが狙い」(和足氏)だった。

 和足氏が用意した模範回答は、表1のようなものだ。

表1 研修医に対応する際の指導医の良い例

1 目を合わせて話す
2 話しを遮らないで聞く
3 情報を集めることができたことをまずほめる
4 正しくできたことを口に出してほめる
5 気づきを促す
6 鑑別を促して聞く
7 考えた根拠を聞く
8 症例と関連付けて病態を説明する
9 自己学習を促す
10 情報の所在と見つけ方を始動する