こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。2013年に「境界悪性卵巣腫瘍」のため卵巣・子宮を全摘出したセクシー女優、麻美ゆま氏のインタビュー。前編では、医師患者関係の苦労話や、診断後にドクターショッピングに走ったこと、術中迅速病理診断で初めて「境界悪性卵巣腫瘍」と判明したことなどをご紹介しました。後編では、境界悪性卵巣腫瘍という疾患をどう受け止めたのか、抗癌剤治療への不安からあちこちを転々とした逃避行のお話などをお届けします。

※◆前編はこちらからご覧ください。


麻美ゆま氏●1987年、群馬県生まれ。2005年にセクシー女優としてデビュー。テレビ東京系の深夜番組「おねがい!マスカット」内で結成されたユニット「恵比寿マスカッツ」の中心メンバーとして活躍し、2010年には2代目マスカッツリーダーに選ばれた。2013年2月、「境界悪性卵巣腫瘍」が見つかり、両卵巣と子宮を全摘出。その後、半年間に及ぶ抗癌剤治療を行った。

――術中迅速病理診断の結果、「境界悪性卵巣腫瘍」だと判明し、危惧していた人工肛門は回避できたんですね。

 手術前から、「開腹してみないと分からないので、70%の確度で診断できる術中迅速病理診断を行って決めます」と説明されてはいました。なので、人工肛門にするかしないかは、私が術中、麻酔に掛かっている間に結果を聞いた家族に判断が委ねられる形になっていました。術中迅速病理診断で悪性ではなかったこと、私が人工肛門はできれば避けたいと言っていたことから、家族が「人工肛門にはしない」と判断してくれました。

 ただ、術中迅速病理診断の確度は70%です。本当に悪性じゃないのか、切らなくていいのかは、病理の先生を信じるしかありません。実は、病理診断については、主治医の外科の先生があまり説明してくれなかったということもあり、よく分かっていませんでした。術中迅速病理診断の話は先ほどの一言ですし、術後の病理診断については「境界悪性卵巣腫瘍ステージIIIb」という紙1枚を渡されただけです。主治医の先生はそれで説明したつもりだったみたいなんですが、私にとっては一大事だったので、もっとちゃんと説明してほしいと思いました。もらった紙を基に、自分で専門用語を検索したり、卵巣癌の診療ガイドラインを購入したりして、何が書いてあるのか詳しく調べました。

※ステージIIIは腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹膜播種ならびに/あるいは後腹膜または、鼠径部のリンパ節転移を認めるもの、また腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移の認められるもの。IIIbは、リンパ節転移陰性で、病理組織学的に確認された直径が2cm以下の腹腔内播種を認めるものと定義される。(日本産科婦人科学会・日本病理学会編「卵巣腫瘍取扱い規約第1部」[第2版、2009年]より)

――「境界悪性卵巣腫瘍のステージIIIb」を調べる中で、5年生存率などが書かれている資料を目にすることもあったと思います。どう捉えていますか?

 今年の8月で、術後半年間の抗癌剤治療を終えてから丸3年がたちます。今は、半年に1回の経過観察だけになりました。再発の可能性は否めませんが、今の気持ちは「もう大丈夫」です。おびえていても、病気に負けている気になるので。

 それから、子どもが産めなくなってしまったことは、とてもとてもつらいことでした。逆に言えば、もうそれ以上に恐れることはありません。もし再発したとしても、現代の医療がきっとなんとかしてくれると信じています。どうにでもなる、という気持ちでいます。

 今年3月、特定非営利活動法人「がんの早期診断・治療に必要な病理診断の総合力を向上させる会」が作った、病理医のプロモーション動画でナレーションを務めました。ナレーションの仕事はずっとやりたかったので、こういう機会をいただけてとてもうれしかったです。私自身、病気になるまで「病理医」に関する知識はほとんどありませんでしたが、今はとても身近な存在であることを知りました。人工肛門を回避できたのも、今も再発していないのも、手術中に病理の先生がきちんと診断してくれたおかげ。とても感謝しています。