こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。みなさんは、セクシー女優でタレントの麻美ゆまさんをご存じでしょうか。2013年に「境界悪性卵巣腫瘍」のため両卵巣・子宮を全摘出した彼女は、当時26歳。医師との関係、婦人科疾患や職業への偏見などと戦いながら、手術と術後半年間の抗癌剤治療を乗り越えてきました。今回は、前編、後編にわたって、インタビューをお届けします。


麻美ゆま氏●1987年、群馬県生まれ。2005年にセクシー女優としてデビュー。テレビ東京系の深夜番組「おねがい!マスカット」内で結成されたユニット「恵比寿マスカッツ」の中心メンバーとして活躍し、2010年には2代目マスカッツリーダーに選ばれた。2013年2月、「境界悪性卵巣腫瘍」が見つかり、両卵巣と子宮を全摘出。その後、半年間に及ぶ抗癌剤治療を行った。

――卵巣は、肝臓などと同じく「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状を自覚しにくいですよね。受診に至った経緯を教えてください。

 2012年末から下痢が続いていたので、体調が少し気になってはいました。DVDの撮影に加え、バラエティ番組で結成した女性アイドルグループ「恵比寿マスカッツ」の活動など、タレント活動がすごく忙しくて、なかなか病院に行く時間を取れずにいました。

 実は、1年ほど前に婦人科で「卵巣に腫れがあります。病院で精査してもらってください」と言われていたんです。でも、「ほとんどは良性だから大丈夫なんだけどね」とも言われたし、痛みも苦しさもなかったので、仕事を休んでまで病院に行くことができませんでした。今は、体調が気になったときに、すぐ病院に行っていればよかったなと思っています…。

――あまり病気にかかったことがない若い人にとって、仕事を休んで病院に行く判断は難しいですよね。

 なかなか、決断できませんでした。2013年の1月頃からは、お腹が膨らんできていて、最初は「ちょっと太っちゃったな」と思っていました。膨満感があったので、ガス溜まりを解消するOTC薬を飲み始めたのもこの頃です。でも、しばらくたっても全然良くならないので、日ごろから体調不良の時にかかっていた病院の総合診療科を受診しました。

 総合診療科の若い男性の先生の診察を受け、X線を撮りました。そこで、「結構な量の腹水が溜まっている。膨満感は腹水のせいだろう」と言われました。そこで、婦人科に紹介されました。

 なぜ腹部なのに消化器科じゃなくて婦人科なんだろう。不安な気持ちになりながら婦人科に行くと、今度は若い女性の先生が担当でした。私が職業を言うと、冷たい目で見られ、悲しい気持ちになりました。

「女性医師の方が私たちの職業に対する目が厳しい」

――医師側が円滑なコミュニケーションを取ろうとしてくれない。そう感じてしまったんですね…。

 私の場合、婦人科の先生にこういう対応を取られたのは初めてではありません。仕事柄、定期的に婦人科で検診を受けていました。そこで私の職業を伝えると、先生の言葉が冷たくなったり、目を合わせてくれなくなったり…。信頼できる先生に出会うまで、医療機関を転々としました。私の感覚では、女性医師の方が厳しかったです。

両卵巣と子宮の摘出手術後、抗癌剤治療も受けた。(写真提供:麻美氏)

 このときの婦人科の先生は特にひどく、けんかを売っているのかと思うような態度。子宮内膜症の疑いがあって手術が必要であること、手術なら仕事に復帰するまでにこれくらいの時間が掛かって…と一気に説明されました。その日に行ったCT検査の結果が出るまでに1週間くらい掛かるし、もう少し調べなければ正確なことは分からないとは言われましたが、ものすごい不安に襲われました。

――こういう場面で、医師側がどのような対応を取ったら、コミュニケーションしやすいと感じるでしょうか?

 コミュニケーションのチャンスは、こういう診察の後にもあると思うんです。私はもっと説明してほしかったけど、外来ではどうしても時間がなくて、あまり話もできないですよね。先生が話す時間はなくても、その後に自分の疑問を看護師さんなどが聞いてくれたら良かったなぁと思います。入院しているときは時間があっていろいろ聞けて、コミュニケーションの面では良かったので。

 診断が付いた後、セカンドオピニオン、サードオピニオン…。自分が納得できる説明を求めて医療機関を回りました。このとき、最初の病院で納得できるまで話を聞いてもらえればこんなにいろいろな医療機関を回らなくても済んだかもしれないのになぁって思います。