優勝は妻が鬼嫁と化す血圧管理アプリ
 その結果、最優秀賞を受賞したのはチーム鬼嫁のアプリ「おねだーりん」でした。その名の通り、「おねだり」をキーに妻が夫のヘルスケアサポートをするというアプリです。30歳代〜40歳代の若年患者の未治療率が高いという点に着想しました。

最優秀賞を受賞したチーム鬼嫁。前列中央が星由香里氏。後列右端がドコモ・ヘルスケアの土倉一範氏。

 例えば、夫の血圧値が高めで生活習慣の修正が必要になった場合、妻がおねだりしたいもの(賞品)を選びます。夫の年齢や体型といったプロフィールを入力すると、目標や期限など、夫に適したミッションが夫に送信されます。夫がそのミッションを承認すれば、賞品分の金額がデポジットされ、ミッション開始となります。はじめに設定された期限までに目標が達成されなければ、夫がデポジットしたお金で妻に賞品が購入されます。

 反対に、達成すればデポジットされたお金は夫に戻され、妻は賞品なしとなります。このままでは夫婦げんか勃発か、と思われますが、妻には運営からエステなど美容関連のチケットがプレゼントされます。チーム鬼嫁の星由香里氏は、「男性陣にほしい物について聞いてみたところ、一番多かったのは『1人の自由な時間』とのことだった。そこで、目標を達成した場合は妻はエステに行ってキレイになれるし、夫は自由になれるという両者とも嬉しい特典を考えた」と説明します。

 ミッション中は、夫が食事を撮影すると、カロリーや塩分が自動で算出される仕組みを作り、妻と情報を共有します。夫婦ともにメリットがある目標達成を目指すべく、妻は鬼嫁と化し、夫の減塩を強力サポートするはず、というものです。

優秀賞を受賞したチームモールス。

 このアイデアに対し、審査員の土倉一範氏(ドコモ・ヘルスケア副社長)は「家族ぐるみで健康対策というのは良い視点。生命保険商品も、健康維持・増進につながることにインセンティブを持たせる動きがあり、こうした方向性はありだと思う。アライアンスパートナーとして横展開の可能性も感じさせるし、技術的な実現性も高い」と評価しました。

 続いての優秀賞は、チームモールスの「イタい血圧計」が受賞しました。これは、物理的な痛みを与えるという意味ではなく、測定しないと「自分が困ることになる」血圧計です。血圧測定を継続させることを目的に、血圧を測ったことが認識されないと携帯電話が充電できないという仕組みを提案しました。

 アイデアだけでなく、秋葉原で材料を調達し、その足ではんだごてや工具などが無料で使用できるはんだづけカフェに3時間籠もってプロトタイプまで作りあげたという実装の早さが高く評価されました。

総評するミレニアムパートナーズの秦充洋氏。

 もう1人の審査員である秦充洋氏(ミレニアムパートナーズ社長)は、「イメージが明確で良かった。高血圧だけでなく、他の課題にも応用できそうなアイデアだし、なんといってもプロトタイプを作ってきたのは素晴らしい」と賞賛。土倉氏も、「血圧計に関するアイデアを社内で募ると、正確性を高めるとか、ウエアラブルにして1日中測れるようにするといった方向に集中しがち。しかし、どうやって計り続けてもらうかという視点も大事だと改めて気付かされた」と語りました。

 さらに、今回はチーム愛と勇気の「IoTスマート箸」も特別賞を受賞。一定以上の塩分を含む食品をつまむと、先端についたセンサーが感知して箸の一部がLEDで光るというアイデアは、「既存の技術の応用ですぐに実用化できそうだし、使用イメージも湧きやすい」(秦氏)と評されました。ほかにも多くのアイデアが登場し、活発な議論が交わされました。次回は、5月あたりに東京での開催が予定されているそう。これらの課題を解決するアイデア作りをしてみたい方は、参加してみてはいかがでしょうか。

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