こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。前回紹介した「ラスボス林寛之を倒せ!医学知識で進むRPG」に引き続き、今回も福井大学で昨年開催された第18回日本救急医学会中部地方会学術集会で行われた一風変わった企画の様子をお届けします。今回ご紹介するのは、研修医を対象とした謎解きプログラム、タイトルはずばり「狙われた地方会からの脱出」です。

 この日、集められた約30人の研修医に、1通の手紙が届きます。「二度と福井で学会なんてできないようにしてやるわ」――。

 手紙は、学会場に仕掛けられた時限爆弾が、1時間後に爆発すると予告するものでした。爆発を阻止すべく、研修医たちは5〜6人のチームとなり、クロスワードから犯人の名前を導き、選択式問題から爆弾の場所を割り出し、時限装置の解除コードを推理していきます。

一斉に課題に取りかかる研修医チーム。

 同時に、各チームに配られた縫合練習セットで、「爆弾を解除するための器用さ」がチェックされます。初期研修医と後期研修医で異なる方式の縫合を指定され、1人5針ずつ縫合するといった実技課題なども含まれるのです。

問題のヒントは部屋のいたるところに隠れている。

 問題は、グラム染色像に写っている細菌の名前や、X線画像に写る骨折の種類、示された症例のglasgow coma scale(GCS)の総計など、主に医学的な内容で構成されています。ネタバレ回避のため詳述しませんが、とにかく謎に次ぐ謎。クロスワードが解けても終わりではありません。解けた!と思ってもそこで油断してはいけないのがこの謎解きプログラム。1つの歯車も狂わせてはいけません。もちろん、血清浸透圧を求める際の単純な計算ミスなども悲劇的な結果を招きます。

爆弾は複数仕掛けられているように見えるが、フェイクもある。

 この企画の担当者である山口つかさ氏(大垣市民病院救命救急センター)は、1年以上掛けてじっくりと構想・作成したのだとか。完成度の高さに思わず感動しました。

 無事爆弾を探し当て、正しい解除コードを入力し、犯人の名前も正確に当てられた、つまり全ての謎とミッションをクリアできたチームは…なし。哀れ、学会場は大爆発…とはなりませんでしたが、プログラムの難しさに、みなさん、うなっていました。

 さて、この高難度の謎解きプログラムに挑戦してみたい!と思った方に朗報です。山口氏は、「本業に支障がない範囲で出前公演もお引き受けします!」とのこと。興味がある方は山口氏からの謎に挑んでみてください。

謎解きを終えて。中央のポリスが、研修医にミッションを与えるヤマグチ・キャサリン・ツカサ警部(山口つかさ氏)。

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