みなさん、明けましておめでとうございます。Cadetto.jp管理人の増谷です。新年1回目のCadetto通信は、昨年12月12日に福井大学にて開催された第18回日本救急医学会中部地方会学術集会の様子をお届けします。

 会長を務めた林寛之氏(福井大学救急総合診療部教授、愛のハリセン)をはじめとする運営陣が工夫を凝らしたプログラムは、およそ「学会」らしからぬユニークなものでした。林氏や寺澤秀一氏(福井大学地域医療推進講座教授)、山中克郎氏(諏訪中央病院内科総合診療部、 山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」)、徳田安春氏(地域医療機能推進機構[JCHO]本部総合診療顧問、超実践!臨床推論)といった、若手からの支持が厚い医師たちによる「最強の教育講演」や、林氏が「面白いものを選りすぐった」と言う若手医師講演。加えて、ロールプレイングゲームRPG)や謎解きプログラムなど、珍しい企画も盛りだくさん。今回は、そんな企画の一部をご紹介します。

 RPGの企画を担当したのは、福井大学医学部附属病院救急部の廣瀬貴美氏。自ら考えたシナリオのゲームを作れる「RPGツクール」というゲームソフトを使用し、医学知識で問題を解決したり敵を倒したりして進むRPG「合宿島と呪われた御神体」を作成しました。廣瀬氏は、「世のゲーム好きなら誰もが一度は、『ゲームへの情熱を勉強に注いでいたら、もっと賢くなったんじゃないだろうか』と思ったことがあるはず。そんな人に贈ります」と言います。

ゲーム中、主人公と一緒に行動してくれるヒロインの名前も決めます(左)。操作は懐かしのスーファミコントローラーで。

 ゲームは、医学生3人でチームを組んで挑みます。5つのステージがあり、それぞれにボスがいます。ボスの出題に答えて倒す以外にも、町の人に話し掛けて出題された問題に正解したり、草陰や壺に隠されているアイテムを見つけることで加点されていく仕組みです。今回は、7チームが挑戦しました。

通行人や行商人に話し掛けたり、隠しアイテムを探したりしながら進みます。

 今大会のために制作された法被を着て挑んだ福井大学のチームは、隠しアイテムも順調に発見しながら進みます。中でも悩んでいたのは、「電気性眼炎は紫外線曝露からどれくらいして来院する?」という問題。紫外線で障害されて起こる表層角膜炎は、曝露直後に来院しないということに注意が必要です。福井大チームは、「24時間後か、6時間後か…」と広い幅で悩み、最終的に「6時間!」と回答するもハズレ。正解は8〜12時間後でした。廣瀬氏は回答後、「スキーなどで日中に受傷するが、夜間に眼痛を感じて眠れないからと救急外来に来るケースが多いです。眼痛だと緑内障などを思い浮かべると思いますが、日中の話を聞けば電気性眼炎であることが分かるので、救急では重要な鑑別です」と解説しました。

特製の法被を着て参戦した福井大チーム。背中のイラストは、今大会イメージキャラクターの「越前あい」([c]時幻セト)。