お茶の水内科院長の五十嵐健祐氏(左)とポート社長の春日博文氏。

 春日氏と五十嵐氏がこのサービスを始めたきっかけは、今年8月に厚生労働省が出した遠隔診療に関する通知でした(厚労省、「遠隔診療」の解釈を明確化)。厚労省はこの通知によって、遠隔診療の対象を、離島やへき地の患者に限る必要がないことを明確化。さらに、1997年に出された遠隔診療通知の留意事項で「遠隔診療の対象と内容」を表で示していましたが、これはあくまで例示であるとし、別表に示した対象と内容以外でも認められるとしました。さらに、同じく1997年の通知では「診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本である」とされていましたが、患者側の利点を十分勘案した上であれば「直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではない」と明記しました。

 メディア事業を手掛ける春日氏は、「一般の人向けに医療やヘルスケアの情報を流すだけでは情報の非対称性は埋まらない。ウェブ上で診療までできるサービスが必要だ」と考えていました。そんな春日氏に、たまたま五十嵐氏が遠隔医療の話をしたことから話が進み、通知からたった3カ月で、サービスインが実現できたのだとか。

 五十嵐氏によれば、「遠隔診療はまだほとんど開拓されていない分野で、どこまでできるかがまだ不明確。そのため、当初は健診などの数値があればある程度症状が把握できる疾患に絞って10カテゴリーとした。サービスの対象外になる相談や重症の人には、医療機関の受診を勧める」そうです。当初は自由診療に当たる内容だけで始めようと考えたと言いますが、「遠隔診療に挑戦するという意味でも高血圧症や高尿酸血症など保険診療の対象となる内容も含めることを決めた」(五十嵐氏)と話します。

 ただし、遠隔診療では厚生労働大臣が定める疾患(高血圧性疾患、糖尿病、脳血管疾患、虚血性心疾患、喘息、胃炎など)を主病とする外来患者が療養上の指導を受けたときに請求される「特定疾患療養管理料」(診療所であれば1回当たり225点)や「外来管理加算」(52点)を算定できません。これは医師にとってはデメリットとも言えますが、五十嵐氏は「同時に保険者にとってはメリットになる。治療を継続させられる上に医療費も少し安くなるということで、保険者への訴求もしていきたい」と語りました。