「帰国後に眼球結膜充血を呈した10歳代男性」からどう推論?
 このようなクイズを何問か解いて会場が適度に温まってきたところで、いよいよ講師の北和也氏(やわらぎクリニック[奈良県生駒郡])らによる講演、次いで日経メディカルAナーシングでも人気コラム「感染症相談室」を執筆中の忽那賢志氏(国立国際医療研究センター国際感染症センター)による臨床推論コーナーとなりました。

忽那賢志氏による臨床推論コーナー。

 臨床推論コーナーで提示されたケースは、「数日前から口が開きにくくなった60歳代男性」「1カ月前から嚥下痛があり、口の中が白い30代男性」「陰部に皮疹を呈した30代男性」など。症例と写真が示された後に質疑応答となり、どんどん疾患名が当てられていきます。例えば、「インドネシアから帰国した後に眼球結膜充血を呈した10歳代男性」のケースでは、「黄疸は?」「ありません」、「蚊には刺された?」「刺されました」、「インドネシアでの性交渉は?」「ありません」、「目の奥に痛みはありますか?」「目の奥というか、頭が全体的に痛いとのことです」、「川に入った?」「はい」とやりとりがされた後、正解の「レプトスピラ症」が挙がりました。

 正解が出た後は、鑑別時に気を付けるべきワンポイントレクチャー。レプトスピラ症は主にネズミが保菌しているスピロヘータによる感染症です。人間は、レプトスピラ症に感染しているネズミなどの尿、あるいはその尿で汚染された水や土壌に接触することによって経皮感染することが多いそうです。「アジアに多く、日本で多いのは沖縄県。昨年は沖縄県八重山地域(石垣島、西表島など)でアウトブレイクが起きました。勝手に治癒することが多いです」(忽那氏)。こうした問題をどんどんこなし、会場からは活発に解答(受け狙いを含む)が挙がりました。

さて、MVPは……
 3時間ほど続いた会の終わりに、MVPを獲得したのは、たくさんの答を挙げた広島大学病院の浅野駿太郎氏となりました。

 今回の会を企画した広島大学総合内科・総合診療科の岩本修一氏は、開催への思いをこう話します。「日本全国に若手医師向けの勉強会はたくさんあります。中には、募集から数日で定員が埋まるような人気セミナーもあります。でも、実際はその多くが『ハードル上がる』問題を抱えています。本来、普通の若手が学ぶ会のはずだったのに、気付けば閉鎖的でハードルの高い勉強会になっているのは不幸です。そこで、『楽しい』をメインに『発言しやすい場作り』をテーマにして、今回の会を企画しました」。

 ちなみに、今回の参加費は3000〜5000円程度。参加者40人中15人が、有料の勉強会に参加するのは初めてだったそうです。それでも感想は、「楽しくわいわいできるセミナーというのが初めてだったので来て良かった」「お酒を飲みながら楽しく勉強できたのがよかった」などと満足そう。「参加のハードルを下げる」「楽しく、発言しやすい場作り」という岩本氏の目的は達成されたようでした。岩本氏は「これからも、こうした参加しやすい勉強会を続けていきたい」そうです。

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