みなさんこんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。今回は、50歳にして若年性アルツハイマー型認知症と宣告された女性とその家族の葛藤を描いた映画「アリスのままで」をご紹介します。

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 本作は、主演のジュリアン・ムーアが、アカデミー賞を始め、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞など22個もの主演女優賞を受賞し、主要映画賞と世界三大映画祭の主演女優賞を制覇したことでも話題になりました。

 主人公のアリス(ジュリアン・ムーア)は、大学で教鞭を執る高名な言語学者。豊富な語彙を操って的確な表現を編み出すことを好む、知性あふれる女性です。そんなアリスが50歳の誕生日を迎え、医師である夫のジョン(アレック・ボールドウィン)、幸せな結婚をした長女のアナ(ケイト・ボスワース)、医学院生である長男のトム(ハンター・パリッシュ)に囲まれて祝われるところから、映画は始まります。仕事も家族関係も充実しているアリスの唯一の心配の種は、女優を目指して一人暮らしをしているリディア(クリステン・スチュワート)でした。

アリス(ジュリアン・ムーア)の50歳の誕生日を祝う夫のジョン(アレック・ボールドウィン)と長女のアナ(ケイト・ボスワース)夫妻、長男のトム(ハンター・パリッシュ)。
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 しかし、そんなアリスの運命は急転します。他の大学に招かれ、講演に出掛けたアリスは、突然言葉をど忘れし、動揺します。なんとか取り繕って講演を終えたものの、次は自分の大学のキャンパス内で道に迷います。自身に起きている異変を感じ取ったアリスは、ジョンにも内緒で神経内科を受診。若年性アルツハイマー病の可能性を告げられたところから、アリスの葛藤が始まります。

 不安に押しつぶされそうになりながら、アリスはジョンに打ち明け、再度検査を受けます。そこで宣告された若年性アルツハイマー病。さらには、家族性であれば子ども達に遺伝している可能性が50%。遺伝していれば、発症する可能性は100%だと告げられます。

次女のリディア(クリステン・スチュワート、左)とアリス。
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 子ども達は母親が進行性の病にかかっていることを知ると同時に、自分にも遺伝しているかもしれないことを知ります。3人の子どものうち、アナは陽性、トムは陰性。そしてリディアは検査を拒否し、それぞれ異なる状況に置かれることになります。人工授精を予定しているアナは気丈に振る舞いますが、アリスは自分を責めます。さらには、生徒から講義に不満が出るようになり、大学を辞めざるを得なくなったアリス。人との約束をすっぽかすといった支障も目立つようになり、「癌なら良かった、恥ずかしくないから」と嘆きます。

 やがて、アリスは、「アリスでいられる最後の夏」を迎えます。そしてアリスは、パソコンに向かい、未来の自分へ「アリスのままで」いるためのメッセージを撮影します――。