みなさんこんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。今回は、2015年4月25日から26日まで開催されていたニコニコ超会議2015内で行われた「メディカルセンター試験」と、在宅介護・訪問看護サービスのホスピタリティワン(東京都港区)社長の看護師、高丸慶氏の講演「最後に死のことを考えてみた」の様子をご紹介します。

正確な情報を知る前に、大喜利形式で考えてみた
 「メディカルセンター試験」は、一見難しそうな医療情報を大喜利という視点で考えてみると、本当の正解を知ったときに正確な情報が頭に色濃く残るというコンセプトで開催されたもの。高知医療再生機構特命医師の鈴木裕介氏らが、事前に寄せられた大喜利回答を紹介しました。

左から、医師の鈴木裕介氏と保健師のI氏。

 第1問は、「かぜの人に○○は無効である」という文章で、○○の部分に文字を入れるというもの。「ドローンでセシウム照射」という時事ネタを踏まえたものから、「成長機会を奪うような過剰な支援」という途上国支援かのような回答、「風属性攻撃」、「尿道にネギを挿入する民間療法」などの回答が寄せられました。

 この○○に入る正解は、「抗菌薬」(関連記事:「かぜの原因はウイルスだから抗菌薬は御法度?」)。鈴木氏が、「かぜの多くはウイルス性感染なので、抗菌薬では効果が期待できない」と解説しました。

一番売れた医学書のタイトルは?
 第2問は、「2014年に一番売れた医学書の名前」。もちろん正解があるものですが、あくまで大喜利として回答を募集。すると、「学年ビリのギャルが1日でCRPを40上げてICUに現役合格した話」というどこかで見たことがあるようなタイトルから、「耳が聞こえる(著・佐村河○守)」と、話題を呼びそうな(?)ものまで集まってきました。

 では2014年、実際に一番売れた医学書のタイトルは?鈴木氏がAmazon.co.jpの医学・薬学・看護学・歯科学のベストセラーランキングを調べたところ、第1位は「今日の治療薬2014 解説と便覧」(南江堂、2014年)…。これだけではあんまりなので、第2位を見ると「ユマニチュード入門」(医学書院、2014年)であったことが分かりました。

 ユマニチュードは、見る、話す、触れる、立つというコミュニケーションの4つの柱を基本とする認知症ケアの手法です(関連記事:「150の技術から成る認知症ケア『ユマニチュード』」)。鈴木氏は、認知症800万人時代といわれる時代背景に触れ、「認知症は、一人当たりのケアに掛かる時間やコストが他の多くの疾患に比べ桁違いに多い。これまでは病院で診てきたが、今後さらに認知症の人が増えればこの病院モデルでは立ちゆかなくなる」と指摘。今後は認知症の人を地域社会で見られるようにしていこうという国の取り組みを解説しました。

 さらに日本の文化が持つスティグマ偏見)にも言及(関連記事:「日本の認知症ケアに世界中が注目しています」)。普段は自分や家族の疾患を隠しがちですが、「認知症になっても安心して暮らせる街を作るには、認知症の人がそのへんを徘徊していても許容される街を作る必要がある」と訴え、認知症の人とのふれあいに慣れられる社会を実現させていくことが課題だと強調しました。