こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。先日お伝えしていた通り、2015年4月25日から26日まで開催されていたニコニコ超会議2015内でエクストリーム医学会が開催されました。今回は、「論文を気軽に楽しんでほしい」と外科医たちが集めた「愛すべきおバカ論文」を紹介します。

自分の腸内でアルコールを製造し、酔い続ける男性
 うんこ学会2日目は、「愛すべきおバカ論文」と銘打ち、外科医であり日本うんこ学会会長である石井洋介氏らが“おもしろ論文”を紹介。石井氏は、「日本語では『論文』というと難しい響きだが、英語で言えば『paper』で、ただの紙と気軽な雰囲気になる。つまり、執筆した医師のチラシなんだというような感覚で、もっと論文に親しみを持ってほしい」と目的を説明します。

左から、香川大学の米田早織氏、うんコレ総監修の木野瀬友人氏、日本うんこ学会会長の石井洋介氏

 初めに、うんコレ総監修を務めるエンジニアの木野瀬友人氏が腸内でアルコールを作っていた症例を披露。ある日、61歳の男性がめまいを訴え救急を受診。そこで呼気検査を行ったところ、その日全くアルコールを摂取していないのに0.37%とかなり高い血中アルコール濃度が検出されたという症例でした。

 この男性、抗菌薬を服用していたときにビールを飲んでしまったため、出芽酵母が腸内に定着。それ以来、炭水化物を摂取するたびに腸内で発酵し、エタノールを製造していたと考察されています。香川大学の細菌学者、米田早織氏が調べてみたところ、こうした症状はAuto-Brewery Syndromeビール自動醸造症候群)と呼ばれ、日本でも報告があるのだとか。確かに、この疾患名で調べてみると、いくつかの報告がヒットします。抗菌薬を服用中のビールには要注意!かもしれません。

任天堂Wiiで遊ぶと腹腔鏡の上達が早い!?
 次は、イタリアのある医師が、腹腔鏡を練習している研修医42人のうち21人を、任天堂が開発したゲームWiiで遊ばせるWii群に、残り21人を遊ばせない対照群に振り分け、腹腔鏡の上達度を調べた論文です。Wii群は、Wiiのテニスゲームや卓球ゲーム、飛行機を操作するゲームを1週間当たり5日、1日60分遊び、これを4週間続けました。4週間後にシュミレーターで腹腔鏡の技術の評価をしてみると、Wii群は対照群と比べ、16の評価指標のうち13指標で有意に上達の度合いが高いと分かったそう。

 石井氏は、「腹腔鏡手術も画面を見ながら行うので、画面の向こうのものを動かすという感覚、脳の高次処理が上達したことに関係するのではないか」と考察。木野瀬氏も、「将棋棋士の羽生善治氏は、チェスの腕も一流。将棋とチェスではコマの動きは全く違うが、マス目が同じで脳内の処理は似ているから、相乗的に上達したのかも。腹腔鏡とWiiでも同じようなことが言える可能性がある」とコメントしました。