突然暴走した後、怯える母ダイアンをなだめるスティーヴ。
Photo credit : Shayne Laverdiere / c 2014 une filiale de Metafilms inc.

 本作は、2014年の第67回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。フランスのセザール賞で、 最優秀外国映画賞にも選ばれました。

 監督は、弱冠26歳のグザヴィエ・ドラン。17歳のときに自身が書いた脚本を、19歳で監督し、完成させたデビュー作『マイ・マザー』が、いきなり第62回カンヌ国際映画祭で監督週間部門に選ばれ、世界の映画界に衝撃を与えた人物です。その後も、『胸騒ぎの恋人』(2010年)、『わたしはロランス』(2012年)、『トム・アット・ザ・ファーム』(2013年)と作品を発表し続けてきました。

Photo credit : Shayne Laverdiere / c 2014 une filiale de Metafilms inc.

 今回の『Mommy/マミー』では、ADHDを描く上で矯正施設などにインタビューに訪れたと海外メディアの取材に答えているドラン監督。施設関係者から、「親や環境からこうした子どもたちを守るために存在しているので、手に負えなくなったという理由で我々が親のところに子どもを強制的に返すことはあり得ない」と言われたことから、「架空のカナダという国の架空の法律」という設定を作り上げたそうです。

 内容はシリアスですが、映像は柔らかくてどこか懐かしいような、美しい色調で撮られています。また、画像共有アプリの「Instagram」世代にはスタンダードになりつつあるものの、映画ではかなり斬新な1:1の画角を採用。「CDアルバムのジャケットの比率と同じ画角を使うことで、音楽がいっそう心に響いてくると思う」とドラン監督は語っています。

【試写会参加者の声】

・1:1の画角で閉塞感を感じさせる画面のまま、それぞれが問題を抱えつつ一生懸命生きているところが描写される。そんな中、オアシスの曲「ワンダーウォール」をバックに、閉塞感が解消されるシーンはとてもきれいで心に残った。(男性)

・画角が正方形だったことで、周りに余分なものが映っておらず、登場人物たちの表情が際立っていた。物語の躍動感が目立っていた。感動的な見せ場が多く、抑揚が付いていた。映像の表現が主人公の心情とマッチしていて、ドラン監督の過去の作品以上に分かりやすくなっていて良かった。(17歳男性)

・予告を見たときから、母親と息子の関係というところで、とても期待してきた。実際見てみると期待以上に良かった。お母さんの強さに心を打たれたし、困難が人一倍ある中で全てを受け入れて前向きに生きる姿は自分にも重なるところだった。ダイアンとスティーヴはお互いが唯一無二の大切な存在で、誰よりも愛情深い。自分の親子関係も、そうありたいと感じた。ADHDを持っていても、あの親子は心が通じ合っている。お互いのことを考えて良かれと思ってやったことがかえって相手を傷つけたりするところは、特に共感できた。(女性)

・母に誘われてきたので、ドラン監督の作品を観たのは初めてでした。感情の起伏が激しく、観客を寄り添わせてはくれないけど、一歩引いてるからこそ、気持ちがすごく入ってきた。すごくきれいで、美しさと切なさが同時に感じられるシーンがすごく印象に残って、思わず涙が出ました。(30歳女性)

タイトル:『Mommy/マミー』
公開日:4月25日(土)
新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、109シネマズ二子玉川(New Open)、センチュリーシネマ、シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネツインほか、全国順次公開

「Cadetto.jp」の新着記事は、Cadetto.jpのFacebookページTwitterでも紹介しています。Facebook、Twitterから最新記事をチェックしてください。また、Cadetto.jpへの感想やご意見などは、管理人増谷ができる限りお答えしますので、ぜひFacebookページにお寄せください。