こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。みなさん、医療や介護の手前の、健常高齢者の生きがいについて考えてみたことはあるでしょうか。今や4人に1人が65歳以上という高齢社会となった日本。高齢者が自立して暮らせるよう健康を維持したり、シニア人材を活用することが大きな課題となっています。

 ところでみなさん、自分の人生を最後まで充実したものにするために必要なものは何でしょう?――ゆっくり旅行に行きたい、美味しいものが食べたい、たっぷり眠りたい……という欲望が生まれるのは、毎日学校や仕事で忙しくしているからこそなのかもしれません。実際に、「60歳になったら会社を定年して余暇を楽しみたい」と考えていた人でも、いざ定年を迎えてみると数カ月で「やはり社会と関わっていたい、自分の知見を生かしたい」と考え直す人が多いのだとか。今回は高齢者の新しい働き方に着目し、企業が抱える課題を抽出してそれを解決できる知見や経験を持つシニアのマッチングをするサーキュレーションと、年齢にかかわらず自分の知識やノウハウなど得意分野を生かせる仕事を紹介するビザスクという2つの企業に、これからのシニア世代の働き方についてお話を聞きました。

労働は「最高のヘルスケア」
 シニア人材の活用は数十年前から課題とされてきており、自治体がシルバー人材センターなど高齢者が働く場所作りなどに取り組んできました。近年は、雇用対象を高齢者に特化した事業会社や人材派遣会社などが登場しています。

サーキュレーション(東京都渋谷区)社長の久保田雅俊氏

 対象を主に50歳以上に限り、個人と法人のマッチングを行うサービス「KOMON WORK DESIGN」(コモンワークデザイン)を展開するのが、サーキュレーション(東京都渋谷区)です。社長の久保田雅俊氏は、「今や60歳、65歳で定年しても、あと30年くらいは人生が続く。日本は資源が乏しい島国ですが、優秀なスキルを持つシニアは豊富ですから、ここを生かさない手はありません」とシニア人材の活用に期待を込めます。一方で、「商社で部長まで勤め上げたような人が、自治体施設の引っ越しを手伝うような仕事をもらってもスキルを生かせない」(久保田氏)と既存のシルバー人材センターなどに足りない点を指摘します。

 そこでサーキュレーションでは登録しているシニア人材の経験や知見を評価して、強みを探します。並行して企業の経営者を訪問し、まだ企業が気がついていない課題を抽出。ここで明らかになった課題を解決できるシニア人材を紹介し、一定期間の顧問契約を結びます。勤務形態は月1回の出社から週3回くらいまで様々。現在、登録者は約1000人で、平均年齢は62歳。「毎日は働きたくないけど社会とはつながっていたいしお金も稼げたらうれしい」ので週1日の勤務で月収20万円と年金を減額されない程度の収入を得る人や、より多く働いて高額収入を得る人もいるといいます。

 最もニーズが高いのは、企業が新規事業として未経験の分野に参入する際に、その分野の知識が豊富な人や、分野に限らず新規参入の経験を持つ人を求められるケースだとか。他にも、特定の企業にパイプを持つ人や、日本からはなじみの薄い国に進出する際、その国に精通していたり事業を展開した経験のある人を紹介するケースなどが目立つそうです。

 「日本人は、自分が社会に役立ちたいという意識がすごく強い」と感じているという久保田氏。実際に、ベンチャー5社、中堅企業3社、地方企業2社と顧問契約を結び、年収1千万円を超す精力的な活動をしているシニア男性は、久保田氏に対し「これでも週に3日も休暇がある。若い経営者と会うことは自分にも強烈な刺激があり、人生が変わった」と語ったそう。「我々は、働くことは最高のヘルスケアだと考えています」(久保田氏)。退職後も生きがいを持って社会と関わることは、要介護や要医療への移行の予防にもつながると久保田氏は実感しています。