外出先で人工肛門用トイレを探す「オストメイトなび」
 続いて準優勝は、チームCurersの「オストメイトなび」でした。これは、人工肛門や人工膀胱を持つ患者(オストメイト)向けに、オストメイト対応トイレや、オストメイトの専門的な対応ができるストーマ外来を設置している病院、ストーマ装具を取り扱う店舗を検索できるアプリ。ほかにもストーマ装具のメーカーや商品番号を書き込んでおき、緊急・災害時に用いる「ストーマ・カード」の提示機能や、トイレ・病院・店舗の新規店舗を登録する機能などを有しています。オストメイト対応トイレを検索するウェブサービスは既にあるものの、アプリ化されたものは初めてとアピールしました。

審査員長を務めた亀田総合病院理事長の亀田隆明氏(右)

 惜しくも受賞を逃した2チームは、それぞれ自分の死後に必要となる情報を遺族に伝えるためのウェブサービス「Willbook」、院内感染を予防するために誰がいつどこで消毒剤ディスペンサーを使用したかを記録し管理できる「スマートディスペンサー」を提案しました。

 審査員長を務めた亀田氏の総評は、「昨年と比べ、今年は実装しやすい、実現可能性の高いアイデアが多かった。大きな課題に取り組むほど、アイデアを落とし込んで完成度の高いアプリを作成するのは難しいという面があるので評価は簡単ではない。すぐにでも実現できるアイデアだけでなく、1年以上かけて取り組むべきアイデアを評価するやり方もあるのではないかと思う」。課題の大きさに応じて評価軸も多様化させることを提案しました。

AppliCare2014の参加者と審査員の集合写真

 審査員を務めた経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課長の森田弘一氏は、「医療は多くが公費でまかなわれるものなので、医療者は公務員のような気持ちで取り組んでほしいと思っている。しかし公務員は私を含め、前例踏襲でNOとしか言わない。みなさんはそういうのはなしにして、公務員の気持ちを持ちながらも革新を進める人になってほしい。ITは私たちの成功体験や失敗体験が通じないツールなので、『あなたたちの時代にはなかったでしょう?』と先人をねじ伏せながら進んでほしい」と挑戦を求めました。また、習志野台整形外科内科院長でメディカクラウド顧問の宮川一郎氏は「4チームとも、本当に僅差だった。ただ、今後はもっと医療の現場を知り、もっと泥臭い現実を知って課題解決に取り組んでほしい。そして、もっと学生らしくはっちゃけてほしい。できそうなことをやるのではなく、大きな課題に対して常になぜだろうと考え続けることが良いアイデアにつながると思う」とアドバイスしました。

 AppliCare2014代表の秋葉春菜さん(東京女子医科大学6年)は、「AppliCareには分野も世代も幅広く様々な方が集まっています。医療は難しく課題も多い分野ですが、それらを良くする仕組み作りの一手段として、アプリケーションをみんなで一緒に考えたいです。いろいろな方のご協力で成り立っているAppliCareが、少しでも社会に恩返しできれば嬉しいです」とコメント。次回以降のAppliCareで誕生するアプリにも、期待が高まります。