みなさんこんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。今回は、8月24日に医療学生の祭典「Medical Future Fes 2014」のイベントの1つとして開催された医療系アプリ開発コンテスト「AppliCare2014」決勝の様子をお伝えします。

 AppliCareは、医療系、工学系、ビジネス系、デザイン系といった複数分野の学生が集まってチームを作り、医療系アプリの開発を目指すというもの。参加者は決勝までの2カ月間、識者によるセミナー聴講や中間報告会、亀田総合病院での合宿などに参加しつつ、アイデアのブラッシュアップやアプリの実装を行います。2013年8月に開催されたAppliCare2013で優勝した服薬管理アプリ「flixy」は、現在リリースに向け準備中。また、準優勝は救急搬送の高速化を狙う「Streaming119」で、Cadetto.jpの記事でも取り上げています。

決勝に駒を進めた4チーム

 AppliCare2014に参加した学生は57人、合計10チーム。決勝前々日の22日に開催された準決勝戦で勝ち残った4チームが、決勝へ駒を進めました。AppliCareでの評価軸は、「解決する課題・非効率の大きさ」「課題を効率的に解決できるか」「実現可能性」「実装完成度」「新規性」の5つから成ります。各チームは、アイデアの提案のみならず、実際に使用できるレベルのアプリを開発することを目指します。

救急隊員が近づくとアプリが自動的に起動
 早速ですが、最優秀賞から紹介します。チームmiYamaが提案したアプリ「iResQ」です。これは、例えば脳卒中の再発などで路上で意識を失った人がいた場合、駆けつけた救急隊員に治療歴や服薬歴など個人の情報を伝え、原因究明の短縮につなげるというもの。自分を知る人がいない場所で意識を失った場合、通報を受けてやってきた救急隊員は、多くの可能性を考えながら状態の鑑別を行わなければなりません。そんなとき、もしその人の脳卒中の既往が分かれば、かなり早い段階で再発の可能性を疑うことができます。さらに、かかりつけ医や薬剤アレルギーの有無など、情報は多いほど時間短縮につながるでしょう。

優勝したチームmiYamaのプレゼンテーション

 では、意識を失っている人が、どうやって自分の情報を伝えるのでしょうか。「iResQ」が使うのは、iPhoneやiPadなどiOS端末用の近距離通信技術を用いた「iBeacon」という技術。「iResQ」が入ったiOS端末を持っている患者に「iBeacon」の発信器を持った救急隊員が近づき、iOS端末が発信器の電波を受信すると、iOS端末で「iResQ」が起動します。「iResQ」は起動したことを音声で知らせるとともに、患者本人があらかじめ登録しておいた情報を画面上に表示します。

 アプリには、8種類の情報の保存を想定しています。例えば、「個人情報」には本人の画像や生年月日など、「服薬歴」にはお薬手帳や薬のパッケージを撮影した画像を保存しておけるということです。既に各機能は実装済みで、すぐにリリースも可能とのこと。チームmiYamaの発表者は、「現状はiOS向けのアプリですが、キャリアに働きかけて他のスマートフォンに搭載してもらうことを目指したいです」と語りました。

 優勝したiResQについて審査員たちのコメントは、「発信器を持った人が近づくと人の居場所が分かるため、現在甚大な被害を出している土砂災害など、災害時にも役立つ。ぜひiPhone以外の端末にも搭載できるようにしてほしい」(亀田総合病院理事長の亀田隆明氏)。「脳卒中の既往がある人だけでなく、リスクが高い人全てに持っていてほしいアプリ」(ブレークスルーパートナーズの赤羽雄二氏)。大きな期待を寄せていました。