みなさんこんにちは!Cadetto.jp管理人の増谷です。みなさま、医療の未来について考えたことはあるでしょうか?日本の医療費は10年後の2025年には税収を上回り、医療が破綻するといわれていることは、ご存じの方も多いかもしれません。先日、医療問題をビジネスで解決しようと考える医療学生が主催する医療ビジネスコンテスト「Perry2014」の決勝プレゼンテーションにおじゃましました。

Perry2014のプランナーと審査員の集合写真

 Perryのコンセプトは、「医療をビジネスにより“革進”することで、10年後の医療を創る」こと。参加資格は、大学生、大学院生、専門学校生。所属大学、学部、学年は問いません。優勝賞金は30万円です。

Perry2014代表の櫛渕澪さん(東京医科歯科大学2年)

 Perry2014代表の櫛渕澪さん(東京医科歯科大学2年)は、政治や医療の質の向上などではなく、ビジネスというアプローチで医療「革進」を目指すことを考えた、と言います。その理由について、「ビジネスというアプローチなら、持続可能、ニーズを満たすなどさまざまな工夫ができる。持続可能なプランによって10年後も同じ医療を受けられるようにしたいと考えた」と語りました。また、医療界は閉鎖的ともいわれる中で、「学生のうちに医療と社会を結びつけたい。日本の社会を医療から元気にしていきたい」と強調します。

 今回は、全国から約60人の医療系・非医療系学生が集まりました。既存の医療問題を解決するビジネスプランを提案するプランナーとして参加する学生は、2013年12月から始まったプランナー向けセミナーなどを経て15チームに振り分けられます。3月15日から決勝プレゼンテーション大会が行われる17日までは合宿をして挑みます。

 これまでのプランナー向けセミナーでは、プランニングの手法やプレゼンテーション、医療問題の講義が行われました。また、医療系・非医療系混合のチームであるため医療現場でのヒアリングや、医療ビジネス界の先輩と面談する機会などが設けられました。

野村総合研究所の齊藤義明氏

 決勝プレゼンテーション当日、まずは野村総合研究所2030年研究室室長の齊藤義明氏による基調講演が行われました。2030年までに、非生産人口(15歳以下、65歳以上)の占める割合が増加して45%を超えるとされている日本。齊藤氏は、各分野の「革新者」にヒアリングしている2030年研究室室長として、これまでの常識を変える取り組みに挑んだ企業を紹介しました。「普通はマーケットの顧客の声を聞き、ニーズに合わせようとするが、まだ顧客も気づいていない欲求を創造する」「今は多いがやがて失われていくものに着目するのではなく、これから増えていくものに着目して発展を試みる」といった革新者の考え方を参加学生にアドバイスしました。

6チームが火花を散らした決勝プレゼンテーション
 Perry2014の決勝プレゼンテーションの審査軸は、革新性(10点満点)、医療界への貢献性(10点)、倫理性(5点)、収益性(5点)、表現力(5点)の5本。齊藤氏を含む5人の審査員によって順位が決定されます。この日の決勝まで勝ち残ってきた6チームが、7分間の発表、8分間の質疑応答を行いました。

 優勝したのは「セルフ」をプレゼンしたTeamホワイトデーです。「セルフ」は羞恥心や不安が受診の妨げとなる可能性が高い疾患に特に注目し、そうした疾患の受診または市販薬による治療を誘導するサービスモデルとなっています。痔や水虫、性病の罹患者約7000万人のうち、未受診患者が約5500万人を占めるという点に着目しました。こうした疾患の患者が「恥ずかしい!」「何科を受診すれば良いのか分からない」「実際の治療が想像できなくて怖い」と考えて受診を先延ばしにしてしまう状況を解決するため、疾患の知識の提供や重症度の判断から、病院の情報やOTC医薬品の口コミ・購入までを提供できるウェブサイトを想定しました。

 ホワイトデーのメンバーは「2泊3日でいろんな人と出会い、いろいろ学ばせていただきました。感謝ばかりです」「大学に入ってから、医療関係のところで貢献したいとは思っていたが、行動できていませんでした。この大会に参加して第一歩を踏み出せた気がします。これからもこういった活動には積極的に参加していきたいです」とコメントしました。