Cadetto.jp管理人の増谷です。最近はすっかり涼しくなってきましたね。同時に、増谷には食欲の秋が到来し、秋刀魚に栗にブドウにと、目移りする毎日です…。みなさまどのような秋をお過ごしでしょうか。

 ところで、まだ暑かった今年8月末、医療とITの化学反応を起こそうと医療学生ラウンジが企画した「Applicare2013―医療系アプリ開発コンテスト―」が開催されたのをご存じでしょうか。このコンテストは、医療系アプリケーションの開発を目的とし、複数回のセミナーや合宿を経て、アイデア出しからプレゼンテーションまでをチームで行うというものです。セミファイナルで選出された4チームは、決勝プレゼンテーションで最終決戦を行うこととなります。優勝チームや優秀な成績を修めたチームは、その後協賛企業などとの打ち合わせを経て実用化への道をつかむことができるのです。

アプリで救急搬送時間を短縮する
 今回増谷は、同コンテストで準優勝を受賞した「Streaming119」というアプリの開発チーム「すぎシステムズ」メンバー、東京大学情報理工学系研究科電子情報学専攻修士1年の小林尚生さんたちに、お話を伺う機会をいただきました。

開発チーム「すぎシステムズ」のメンバー。左から、東京大学工学部システム創成学科3年の杉下渚さん、東京大学情報理工学系研究科電子情報学専攻修士1年の小林尚生さん、東京大学学際情報学府学際情報学専攻修士2年の篠塚史弥さん

 近年、救急車の利用者数は増え続けているのに対し、救急告示病院数は減るという事態が起きています。そのため、受け入れ先を見つけるための救急搬送時間は、1999年に全国平均27分でしたが、2011年には38分を超えてしまいました。受け入れ不可が続き、いわゆる“たらい回し”状態になったり、特定の病院に患者が集中して処置が遅れるといった懸念がますます深まっています。

 この問題を改善するための取り組みは多くなされています。例えば、iPadを用いて医療機関の受け入れ状況や該当する診療科の医師がいるかどうかをリアルタイムに調べられるシステムの「99さがネット」は大きな話題となりました。システム導入から半年経った2011年度上半期の佐賀県の平均搬送時間は33.3分となり、前年から約1分短縮することができています。

 しかしこのシステムでも短縮できたのは約1分。小林さんは、「既存のサービスが扱えていないところを改善して救急搬送の高速化を図る」と、通報者が通報した後、救急隊到着を待つ時間に着目しました。99さがネットは、救急隊が患者のもとに駆けつけた後、搬送先を探す時間を対象としています。小林さんたちは、「平均で9分はかかるという駆けつけ中の時間に、通報者と救急隊が患者の情報を共有することで、救急隊が現場での処置を早い段階から想定できたり、駆けつけ中に受け入れ先病院の検索を始めることができる」と考えたと言います。