まだまだ暑い日が続いていますが、Cadetto.jp読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年の7月からCadetto.jp管理人となりました、日経メディカル記者の増谷です。私自身編集部でCadettoな立場ですので、これから皆様と一緒に勉強させていただければと思っております。よろしくお願いします。

 最近運動不足で体力低下気味の増谷、灼熱の直射日光に当たると頭痛が…。なのであまりに太陽が輝いている日は無理をせず、水分を摂って屋内で過ごすようにしています。そんな日を過ごす場所として、涼しい映画館はぴったり。そこで、さらにヒヤっと涼しくなる、かもしれない映画をご紹介します。

 先日、9月6日(金)公開の映画「サイド・エフェクト」の試写に行ってきました。この映画は、デビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを最年少受賞し、「トラフィック」でアカデミー賞監督賞を受賞したスティーブン・ソダーバーグ監督の最新作です。

豪華俳優陣の迫真の演技に注目 (c) 2012 Happy Pill Productions.

 まず、主人公の精神科医バンクスを演じるジュード・ロウを始め、キャサリン・ゼタ=ジョーンズや「ドラゴン・タトゥーの女」でリスベット役を演じたルーニー・マーラなど出演者が豪華な本作。ジュード・ロウの医師として葛藤する姿は胸が痛くなりますし、患者であるエミリー役のルーニー・マーラの小悪魔的魅力はすごい!の一言です。

 ストーリーは、結婚したばかりの夫がインサイダー取引の罪で収監されている間にうつ病を再発させたエミリーが自殺未遂を犯し、バンクスが担当医となるところから始まります。キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる前医シーバートに相談した結果や、エミリー本人の希望から、新規抗うつ薬を処方することにしたバンクス。同時期に夫が出所し、エミリーの病状はたちまち改善していきます。

主人公の精神科医バンクスを演じるジュード・ロウと、前医シーバートを演じるキャサリン・ゼタ=ジョーンズ (c) 2012 Happy Pill Productions.

 しかし、エミリーがこの新規抗うつ薬を服用すると、「夢遊病」のような副作用が認められることが判明します。バンクスは薬剤の変更を打診しますが、症状も夫との関係も改善したエミリーは、服用を続けたいと強く訴えます。仕方なく処方を続けるバンクスですが、ある日、恐れていた以上の事件が…。夢遊病状態のまま、エミリーが夫を刺殺しまったのです。エミリーの裁判で証言したバンクスは、その後主治医の責任を問われ、職も家庭も失いかねない状況に追い込まれていきます――。

 もちろん、ベルリン国際映画祭では「ヒッチコックの現代版」と評されたという本作ですから、すんなりとは終わりません。バンクス医師が自身の名誉をかけて追求した結果、衝撃的な陰謀が明らかになっていく、というサスペンス映画です。

患者のエミリー役はルーニー・マーラ。その小悪魔的魅力に翻弄されていくバンクス。果たして事件の真相は… (c) 2012 Happy Pill Productions.

 本筋もハラハラドキドキの展開なのですが、随所に散らばるリアルな場面が私の興味をひきました。本作には、ニューヨーク大学メディカルセンターやニューヨーク医科大学で教鞭を執るサシャ・バーデイ博士がテクニカル・アドバイザーとして関わっているとのこと。劇中では、エミリーが米国ニューヨーク市のワーズ島にある刑務所兼病院に収監されるシーンも登場しますが、サシャ・バーデイ氏は島全体が刑務所兼更生施設になっているニューヨーク市のライカーズ島精神衛生センターで所長を務めたこともあるということですから、その描写は本格的です。

 被害者家族がテレビ番組に出演して製薬会社を糾弾したり、マスコミが主治医への取材合戦を繰り広げたりする様子、新居購入費や息子の教育費をまかなうための掛け持ちオーバーワーク、新薬のテストへの協力をMRにお願いされる場面などリアル!な場面がちらほら登場し、最後までどきどきしながら見ることができました。

 一方で、物語ですから当然「そんなわけないでしょ!」という場面もありますが、そこは本作全体に漂う緊張感がカバー。皆様も、映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。


映画「サイド・エフェクト」
9月6日(金)より、TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー

公式HP:www.side-effects.jp

Facebook:www.facebook.com/SideEffectsJP

Twitter:@sideeffectjp

※本作はR15+指定作品です。