• 児玉 秀樹 氏 Hideki Kodama, D.D.S., PhD, MBA
  • 現在の職業 : 理事長 歯科医師
  • 現在の勤務先 : 医療法人ナチュラルスマイル会
             ナチュラルスマイル西宮北口歯科
  • 出身大学・学部 : 大阪歯科大学歯学部
              大阪歯科大学大学院歯学研究科
              慶應義塾大学大学院経営管理研究科
  • 臨床専門分野 : 歯科 口腔外科  (日本口腔診断学会専門医 日本禁煙学禁煙専門歯科医)
  • +αの道に入る前の臨床経験年数 : 13年
  • +αの道に入った後の臨床経験年数 : 3年
  • +αの道の種類 : 経営学修士(MBA)

何故+αを選んだのか

 今の歯科医療に疑問を感じていたことが、+αを選んだきっかけです。

 まず、医療は年中無休であってほしいと思いませんか?私が経営するナチュラルスマイルは年中無休で営業しており、昼休診もありません。まさに「病に休日なし」です。私は、医療こそ年中無休であるべきと考えています。

 また、歯科医療もすべて保険適応になってほしいと思いませんか?今日、保険と保険外診療とでは、治療技術やレベルに大きな差があります。このままでは、お金のある人とない人とで、ますます受けられる医療に差が開いていきます。それはおかしいと思ったことも、+αを選んだ理由です。当院では、なるべく保険が効くところは保険で、保険でできない部分はなるべく安く行うようにしています。

 更に、経営への不安もありました。私どもの医院は、優秀な医師をヘッドハンティングして採用しています。このため非常に高い人件費がかかっています。また、大学出たての研修医が治療してもベテランが治療しても国家指定価格は同じです。当院では、価格は同じであるにも関わらず、優秀な医師を雇い、最新の医療機器を購入し、よりよい医療を提供してきました。その結果患者さんはひっきりなしに来るのですが、どんどん赤字になっていきました(笑)。

 そこで、治療技術だけではだめ、人事、財務、マーケティングなど経営学を学ばなくてはいけないと思いました。そんな折知ったのが、大学院の慶應義塾大学ビジネススクールでした。

どのようにして+α道に入ったのか

 まず、色んな経営学の本を読みました。そして学んだことを実践していったのです。しかし勉強だけではなんだか物足りないものでした。ところがある時、色々勉強していくうちに慶應義塾にMBAというものがあり、そこに医療・介護制度が専門の田中滋教授がおられるということ知りました。そして幸運にも田中先生の授業を聞くチャンスに恵まれたのです。

 その授業に出て、私の目が開きました。

 日本人は自分から意見を言わない民族だといわれますが、先生が出される質問に、塾生(慶應では学生を塾生と呼ぶ)たちは真剣に考え、誰もが次々に自分の意見を発表していました。そして場合によっては、塾生同士で熱い議論をかわしていました。私はこの授業に衝撃を受けました。

 また、先生の深い授業にも感銘を受けました。財務、マーケティング、人事、組織などの学問としての経営学だけでなく、哲学、社会の歴史や仕組み、政治の盛衰など、学問だけでは学べないことを学びました。

 そこで是非とも、この先生のもとで勉強がしたいと決意し、慶應義塾ビジネススクールを受験しました。

プラスαの道はどうであったか、何を学んだか

 慶應では、毎晩深夜まで猛烈に勉強しました。授業はハーバードビジネススクールからはじまったケースメソッドという手法で行われています。色んな会社をモデルにし、例えば経営危機からどう立ち直らせるかなど、会社経営のあらゆる問題をディスカッション形式で考えるものです。まるで、患者さんのレントゲンと既往歴と症状から、今後の治療方針を議論する様なものです。それを数百も行うのです。

 NHKの白熱授業でも放送されましたが、授業がまさに白熱しています。しかし、授業よりもさらに白熱するのが塾生同士の勉強会です。

 塾生それぞれが、会計士や弁護士、医師、銀行家、大企業やベンチャー企業出身者など、色んな経歴を持つため、多様な意見を議論できる環境でした。そしてお互い熱い信頼と友情で結ばれました。私はこれほど前向きで熱心な人たちに出会ったことはありません。今ではこれが塾員(卒業生を塾員と呼ぶ)となり、親交が続いています。そしてみんな優秀な会社に入社し社長コースまっしぐらです(笑)。慶應のいいところはこの塾員同士のつながりが強い点です。