(イラスト:持田 大輔)

「なぜか術前の評価が十分だった方が合併症が多い…思ったより病変が長かったから急きょ他のステントに変更…合併症なし」
 ジョージが後ろから僕のスマホを覗き込みながら、ぶつぶつと他の医師のコメントを読んでいる。
そして、「他のステントに変更…合併症なし、あっ!」
 何かひらめいたのか、突然走り出す。向かった先は僕のロッカー。一番上に置いてあったカテーテル室の全入室記録の束を手にすると、にらみつけるようにしてそのデータを眺める。何にそんなに興奮しているのかさっぱり分からない僕達は、ただただ見守るしかない。

 一通り記録を見ると、ジョージはうなづきながらこちらを振り返った。
「間違いない。あとは、エビデンスを集めるだけだ」
 どうやら、重要な何かに気づいたようだ。
「宮沢先輩、明日までにちょっと道具を調達してほしいのですが…。カテーテル室に出入りしている業者さんに知り合いいますか?」
「ああ、いるぞ。何をすれば良いんだ?」
 ジョージが宮沢に耳打ちする。
「オッケー、明日までにそれを準備すればいいんだな!」
 そう言うと宮沢は部屋を飛び出した。
「後は…」ジョージはこっちを向き、「医療廃棄物室に行って、ゴミを漁らなくちゃな」と続けた。
 さっぱり意味が分からないが、医療廃棄物室について行く。いったい何を探しに行くのだろうか。

 Xデーはいよいよ明日。

※「DDDDD〜ディーゴ〜」は毎週月曜に掲載します。