このように研修医は多くの不安とストレスを抱えつつ研修に取り組むことになる。だが、ローテート研修を経験していない指導医は、研修医のこういった不安やストレスに気付かない場合もある。指導医も本人も気付かぬうちにストレスが積み重なると、メンタルヘルスが崩れてしまう。

 そうならないよう、「日ごろから周囲を見渡して、気軽に相談できる先輩医師を見つけておくだけでも気が楽になる」と菅氏。「『あの上司はどうせ分かってくれない』と決めつけず、話してみれば意外と理解してもらえる」と鈴木氏も言う。

タイミングを見つけて指導医とざっくばらんに話してみよう。

 受け入れ側も次はどんな研修医が来るのかと不安に感じているもの。「理想は新しい科での研修が始まる前や研修途中に、指導医や研修関係者とランチ会や飲み会など、ざっくばらんに話せる機会をこまめに作ること。そうすれば、雑談の中でお互いが職場や研修に何を求め、何に悩んでいるのかが共有でき、良い関係を作りやすくなる」と鈴木氏は話す。

 自分自身のSOSサインに気付くために、「メンタルが崩れ始めたらどんな症状が出るのかを知っておくのも重要」と高知医療再生機構統括特任医師の鈴木裕介氏は言う。疲れがたまってきたかなと思ったら、下図のように「ぐっすり眠れているか」「食欲や性欲が落ちていないか」と自身の状態をチェックしてみることが欠かせない。的確に鑑別診断し、病態生理を把握する。診療の基本を自分のメンタルにも適用したい。

セルフモニタリングはここに注目