サブスペシャリティと並行して総合内科専門医の取得を
渡辺 毅
Tsuyoshi Watanabe
日本内科学会認定医制度担当理事●福島県立医科大学腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科教授
 現在、内科系14学会では、日本内科学会認定内科医または基本領域専門医をいわゆる1階部分として、その取得を、2階部分の13のサブスペシャリティと総合内科専門医の申請条件としています。1階部分として認められる基本領域は、制度により異なります。
 外科では外科専門医が1階部分に相当するのに対して、内科の場合は認定内科医が1階部分、総合内科専門医は2階部分という制度設計になっており、分かりにくいとの指摘をよくいただきます。認定内科医は広告できないという事情もあり、今後は外科系と整合性のとれた制度にしてはどうかという議論もあります。ただ、歴史的な経緯もあり、この設計の変更には時間をかけた検討が必要です。変える場合も、既に取得された、または準備を始めている医師には影響を与えない形で導入しますので、ご安心ください。
 総合内科専門医は、特定の臓器のみにとらわれずに総合的に内科疾患を診療できる医師の育成を目的としています。今後は、申請要件である症例サマリーへの外来症例の採用、更新要件の単位へのeラーニング導入など、幅広い医師に門戸を開く制度に改良する予定です。総合内科専門医の取得は他のサブスペシャリティ専門医取得の必須条件ではありませんが、内科の総合的診療のキャリアの証明と位置づけて、積極的に取得してください。(談)
外科系専門医の症例リポートはNCDと連動
梛野正人
Masato Nagino
日本外科学会専門医制度委員会委員長●名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科学教授
 外科専門医は、日本外科学会など関連7学会が協議し、それまでの外科認定医に代わって2002年にスタートした制度です。制度の主眼は、「普通の手術を着実に行える外科医」の養成。そのために、いわゆる2階建ての制度も学会間で連携して整えてきました。
 その制度が今年さらに大きく変わります。2011年1月に始動した、日本全国の外科手術を登録するデータベースであるNational Clinical Database(NCD)が専門医制度とも密に絡むようになります。
 今のところNCDと連携する専門医は、外科をはじめとした外科系7領域で、順次増えていく予定です。まず分かりやすい関連は申請に求められる症例サマリーで、外科専門医の場合、2012年度以降の手術は(海外での症例など一部例外を除き)NCDへの登録が必須となります。
 外科志望の先生方は、研修施設がNCDに参加していることを確認しておくべきでしょう。NCDにより、今までのように、経験した症例の整理を個人で行う必要はなくなるので、申請は楽になると思いますよ。
 専門医を取得する意義についての議論はこれからも尽きないでしょう。ただ、外科医療というものはチームで行うものです。1つの手術に医師だけでも3〜4人が関わる環境で働くわけですから、お互いの技術レベルの担保はある程度必要。専門医資格はその目安の1つとなります。(談)
調査概要
日経メディカル オンラインの医師会員を対象に、Webアンケートを実施。期間は2012年2月10日〜2月17日。有効回答数は1227人。性別●男性1129人/女性148人 年齢●20歳代100人/30歳代360人/40歳代426人/50歳代312人/60歳以上79人 勤務形態●勤務医1085人/開業医136人/その他(研究施設、行政機関、企業など)56人 専門科目●内科362人/内科系専門科(消化器内科、循環器内科など)220人/外科91人/整形外科47人/外科系専門科(脳神経外科、形成外科など)97人/救急科13人/小児科76人/皮膚科32人/アレルギー科7人/泌尿器科28人/産婦人科34人/眼科28人/耳鼻咽喉科29人/精神科45人/放射線科38人/麻酔科43人/病理診断科9人/臨床検査科3人/その他40人/初期研修中35人※日本の医学関連学会がそれぞれ認定する専門医の取得状況について尋ねた。日本内科学会認定内科医は、多くの内科系サブスペシャリティ専門医取得の前提条件となっているため、取得数や取得パターンの分析において他の専門医と同列に扱った。

編集部から:
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