同席者も記録を残して
 訴訟回避のためには、説明の記録を残すことも大切だ。「医師は病名や病態名を言えば説明したことになると考えがちですが、患者の解釈は様々。箇条書きでも構いませんが、できるだけ具体的に 」と水澤氏はアドバイスする。

 看護師などの同席者の存在も、証拠という点では有効だが、「記録が残っていない場合、数年も前の出来事に関する証言の証明力は、一般的には弱い」と水澤氏。同席者も別途記録を作成し、さらに、誤解に基づく要約がないかを医師がチェックすることを勧める。同席者が途中で席を外した場合は、「中座により記録が中断した」旨を明記しておく。

 医師が説明した内容だけでなく、患者からの質問や要望などもこまめに尋ねて、カルテに記録しておくといい。「訴訟を起こすのは、不幸な結果となるまではトラブルの徴候がなかった患者さんがほとんど。『この人は人柄がいいから大丈夫』などと甘えず、きっちり記録することが基本です」(水澤氏)。

 訴訟を意識するとプレッシャーになりがちだが、「基本的には、『自分が医学知識のない患者だったら、どんなことを知りたいか』を真摯に考えて説明すれば、大きな不満や認識のずれは生まれないはず」と水澤氏は助言している。


<お知らせ>Cadetto.jpは、若手医師と医学生限定の無料会員制サイトです。次回以降の記事をお読みいただくには、登録手続きが必要です。詳細は「Cadetto.jpとは」をご覧ください。