初期研修医の皆さんに1冊だけ薦めるなら「研修医当直御法度症例帖」(三輪書店)です。患者さんとの実際のやり取りを題材に、救急での初期対応やフォローアップについて、どんな点で不足があったのか、どうすべきだったのかを分かりやすく書いてあります。

綿貫 聡氏
Satoshi Watanuki
東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科後期研修医●2006年東京慈恵会医科大卒、同年より東京都立府中病院(現在の東京都立多摩総合医療センター)初期臨床研修医。08年より同救急総合診療コース後期臨床研修医。11年より現職。
(Photo:Toru Marumo)

 初期研修の初めの頃、この本は私にとってお守りのようなものでした。「この本に書いてある内容だけは外さないようにし、せめて患者さんに害を与えないような医師になりたい」。そんな思いで、当直のたびにERや当直室で何度も目を通していました。

 医師として成長するには、常に「なぜうまく行かなかったのか」を考える必要があります。この本は振り返りの大切さを実感させてくれます。

 この本と「研修医当直御法度ピットフォールとエッセンシャルズ」(同)は、学生の時に目を通しました。ピンと来るようになったのは医師になってからですが・・・。卒後4年目のとき、これらの本に刺激されて、周りの研修医と自前の失敗事例集を作ったのも良い思い出です。

ポケットマニュアルは一通り購入して試した
 「誰も教えてくれなかった診断学」(医学書院)もぜひ読んでほしいですね。診断推論に不可欠な知識が凝縮されています。「レジデントのための感染症診療マニュアル」(同)は、感染症診療で困ると一番に開く本です。リファレンスとしても役立ちますが、じっくり読んでも面白いです。非常に充実した内容を青木眞先生がおひとりで書かれており、既知の事実と著者の意見が明確に書き分けられているなど、編集方針が首尾一貫しています。

 ポケットマニュアルの類は一通り買って、実際に使ってみました。その中でオススメなのは「UCSFに学ぶできる内科医への近道」(南山堂)、「ERの哲人」(シービーアール)です。内容も一目で分かり、ERやベッドサイドで使いやすいと思います。

 医学書ではありませんが薦めたいのは「研修医をひきつける病院づくり」(プリメド社)。市立堺病院が研修プログラムを整備するに当たっての取り組みや工夫が書いてあります。主体性をもって初期研修に臨むヒントになるかもしれません。

 それから「自分らしいキャリアのつくり方」(PHP研究所)。初期研修後、後期研修後などの節目では、誰もがキャリアについて悩みます。私も日々悩んでいますが、参考になる本の1つだと思います。(談)

「研修病院選びかた御法度」(三輪書店、写真下段左から2冊目)は、綿貫氏が最近読んでとても面白かったという1冊。医学生向けだが、病院に入った後に研修を充実させるためのヒントもあり、研修医にも十分参考になるという。

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