C うん。外科医としてやっていきたいな、と思ってる。でも、来年あたりに大学院に入ろうかと思ってるから、そうすると10年以内には研究留学できるかな?

J 希望すれば、たぶんね。今の教授クラスは留学経験者が多いから、若手に勧める先生も多いみたい。臨床医としての幅が広がるという声もよく聞くわね。でも、最近は留学先も自力で探さなくちゃいけなかったり、帰ってきたらポストがなかったりで、大変らしいわよ。

C そうなの?大学時代の先輩の医局では、アメリカに、代々医局員が留学している研究室があって、順番に留学できるって聞いたけど。

J そういう医局も昔は多かったけど、今は減っているみたいね。

C ガーン…そうなんだ。

J でも、自力でなんとかコネを見つける人もいるし、教授と交渉して、帰国後のポストを確保して行く人もいるから、何ごとも努力次第よ。

C そうかあ。ところで研究留学って、お給料もらえるんだよね?日本だと、大学院に行きながらバイトもできるじゃん。

J もらえるけど、それほど期待しない方がいいわよ。出ても年間300万円くらいかしら。大都市に行ったら、家賃だけで赤字になるし、無給の場合もあるらしいわ。もし家族も一緒に行くとなれば、滞在費用はさらにかかるから、貯金しておかないとダメみたいね。

C そうかあ。じゃあ、僕、結婚は先に延ばそうかな…。

J ん?相手もいないんだから、心配いらないんじゃない?

C うるさいなあ。わかった。じゃあ、臨床留学はどうだろう。アメリカだったら英語だし、頑張れば、行くのに10年はかからないだろう?

J アメリカに行きたい人は、学生時代からUSMLEっていう、臨床を行うために必要な試験の勉強をしているんだって。USMLE専門の予備校もあるんだから。

C 今からじゃ、間に合わない?

J そんなことはないけど、アメリカの新卒医師と競争するわけだから、死ぬ気で勉強しないとね。学生時代に勉強するのだって簡単じゃないのに、仕事しながらだと大変よ。

C うーん、もう留学はあきらめようかなぁ。思ったより大変そうだ。

J あきらめが早いわねぇ。じゃあ、ヨーロッパやアジアはどう?英語があまり通じない国もあるけど、試験なしで留学できるところもあるみたい。特にカデット君みたいな外科の場合は、日本にいるよりもたくさん手術の経験ができるって。先輩の中には、日本だと5年くらいかかる手術症例数を1年足らずで経験して、専門医を取った猛者もいるらしいわ。

C それ、いいね!それにしてもジョイリーナちゃん、詳しいなぁ。もう少しいろいろと聞かせてよ。

J じゃあ、先輩たちに話を聞いてみましょうか。