初期研修を行った場所によって、その後の進路に違いはあるか。ここでは、それぞれ初期研修を行った場所ごとに、どのようなキャリアを歩んでいるかを見てみたい。

 研修を出身大学で行い、そのまま現在も出身大学の医局に所属している、いわば「旧来のキャリアパス」を歩んでいる医師は、初期研修を出身大学で行った医師のうち59.7%。これは全体の23.8%に相当し、約4分の1程度にとどまっていることが分かる。

● 出身大学に残る「旧来のキャリアパス」は全体の38%
● 初期研修を行った医師がそのまま残った率は63%

 また、出身大学か否かは関係なく、大学で初期研修を行う場合、現在の所属が「初期研修先と別の大学」という医師は少ない。将来の入局を視野に入れて研修先を選んだ医師が多いと考えられる。

 一方、市中病院で初期研修を行った場合は、約半数が現在も市中病院で働いている。ただし、初期研修先で変わらず働いている医師は、市中病院で研修を行った中の24.0%に過ぎない。全体のわずか11.0%という計算になる。

 大学からは「医師不足に悩む市中病院が、雇用した医師を手放さないため、大学に医師が戻らない」という恨み節も聞こえてくるが、調査結果を見る限り、それはごくまれなケースといえそうだ。

 有力病院では、医師の定数枠の関係などから、研修医がそのままスタッフ医師として残りたいと希望しても残れない例があるという。むしろ、そのような事情も反映した数字なのかもしれない。

● そのまま初期研修を行った出身外の大学に67%と高率で残っている
● 研修後に市中病院に行く医師は最も少ない