また、「新制度がなければ現在の勤務先で働いていない」と回答したのは26.2%。「分からない」という回答も23.8%あり、新制度によって、医師のキャリアの選択が大きく変わったのは間違いなさそうだ。

新制度がなければ、現在の勤務先にはいない?
「新制度がなければ、現在の職場にいない」と回答したのは26.2%。「医局を離れるきっかけになった」というコメントが多かった。
今の勤務先にいない理由は?
●内科医になりたかったが、ローテートで自分には到底無理と分かった。ローテートしていなければ内科に入局し、すぐに辞めたかも。(女性・基礎研究)
●研修中に心変わりした。(男性・内科)
●初期研修の関連病院で4か月働いた病院に勤務している。働いた事がなければ、雰囲気もわからないしあえて行こうと思わなかった。(女性・外科)
●おそらく、旧制度に乗っかって地元で医局に属していたと思う。選ぶのは大変だったけど、いい機会だった思う。(男性・内科)

 一方、ちまたで言われる「初期研修で現場を見せたことで楽な診療科に流れた」という声は必ずしも正しくない。「初期研修を通じて志望する診療科が変わった」と回答したのは36.6%だったが、変わったその診療科は内科が最も多く、以下、麻酔科、外科と続いた。調査結果を見る限り、初期研修で様々な科を回ったことによって「あまりハードではない」といわれる診療科に志望を変えた医師はそれほど多くない。

 調査で診療科を変えた理由として目立ったのは、「多くの症例を経験でき、面白かった」「充実感が味わえた」といった答えだ。ローテートに入っていながら、志望者を減らした科は、「初期研修で当該診療科の面白さを伝えられなかった」というのが本当のところかもしれない。

新制度で診療科の選択は変わった?
「新制度で診療科の選択が変わった」と回答したのは36.6%。「研修前には進路を考えていなかった」人も加えると、約4割が初期研修を通じて診療科を決めていることになる。
変わった理由は?
●当初、精神科のイメージは決して良くなかったが、経験してみるとやりがいを感じた。(男性・精神科)
●学生時代は呼吸器内科希望だったが、初期研修先の大学病院の分院は呼吸器内科は医師が足りず、ほとんど症例を持てなかった。研修中に困った症例の多かった腎臓内科が面白くなった。(男性・内科)
●元々志望していた診療科の医師が思っていたより優秀でなかった。(男性・麻酔科)
●研修先の当初希望していた診療科に苦手な指導医がいた。また、現在の診療科では初期研修と後期研修を通じて優れた指導医に会うことができた。(男性・内科)
●自由選択期間に選んだ眼科が特に面白かったから。(男性・眼科)
●実際に診療を行ったことで、自分にとってより学問的な興味を満たし、充実感がある診療科だと分かったから。(女性・脳神経外科)
●手先の不器用さを思い知らされたのに加え、当初志望していた診療科の医局の雰囲気が合わなかった。(男性・精神科)