熱血指導医B先生の親切指導のもと、論文を読み始めた初期研修医Aくん。要約文でPICOを抜き出したら次は、研究デザインのチェックです。研究デザインの違いによって、結果がどの程度信頼できるかが変わってくるのです。


研究の進め方は妥当か?

 この研究では、高コレステロール血症の患者をどうやって2つのグループに分けたと思う?「無作為割り付け」といって、2つのグループの条件、例えば血圧や体重、男女比、年齢などの分布がほぼ同じになるように、患者をくじ引きで各グループに割り当てているの。方法のところに「無作為(randomized)」という言葉があるでしょ?

 でも投薬するかしないかという条件が違っちゃいますよね。

 その通り。だから、ほかの条件はできるだけそろえる必要があるの。一番厳密なのが「盲検(blindtest)」というやり方で、患者にも治療者にも、どちらのグループに自分たちが割り付けられているかを知らせないようにして進めるの。でもこの論文には「オープンラベル(open-labelled)」と書いてあるから盲検ではないわ。「薬を飲んでいる」という認識があるグループとないグループとを比較検討しているわけだから、結果は割り引いて考えるべきね。

 食事療法単独群の患者さんが、途中でプラバスタチン投与を希望するとか、逆に、プラバスタチンを飲んでいた患者さんが、途中でやめちゃうということはないんですか?

 もちろんあるわよ。ドロップアウトと言うの。逆に、最後まで試験に参加した患者の割合を追跡率と言って、これが高いほど研究の妥当性が高いとみなされるの。8割を超えればまずまずね。じゃあ結果を見てみましょうか。

 食事療法単独群、食事療法+プラバスタチン併用群で、平均総コレステロール値の低下はそれぞれ2.1%と11.5%、平均LDL-Cの低下はそれぞれ3.2%と18.0%だったそうです。やっぱりプラバスタチンを使った方が下がるんですね!

 そうね。冠動脈疾患の発症率はどう?

 食事療法単独群が3966人中101例で2.5%、プラバスタチン併用群が3866人中66例で1.7%。こっちもプラバスタチンを飲んだ方が低いですね。