歴史の違いが“色”の違いに
 このように共通点が多い両病院だが、その生い立ちは大きく異なっている。

 中部病院はそもそも、第二次世界大戦で沖縄県が地上戦の舞台となり、戦前は160人いた医師が60人まで減ってしまったことから始まる。医師がいないにもかかわらず、1979年まで医学部が設置されなかったことから、地元に24時間365日医療を提供し、かつ医師を育てて派遣する機能が県立病院に求められた。米国式の指導も、そもそも沖縄県が米国の統治下にあったためだ。

 一方の聖路加は1902年、キリスト教の宣教師で医師の米国人、トイスラー博士が設立。人間ドックや米国式の診療記録管理システムをいち早く導入し、病床の半分を1泊3万円以上の差額ベッドに変更するなど、私立病院として経営効率も意識しながら、常に新しい試みを実行している。米国式の研修制度を導入したのも1933年と早い。

 元中部病院院長、宮城征四郎氏をして、「中部病院の研修はどんな患者も診られる医師を育てるために考えられ、臨床能力を付けるという観点からほかに誇れる制度だが、歴史のある聖路加の研修とは比べようもない」と言わしめるほどだ。

 そんな2つの病院は学生の目にはどのように映っているのか。今回、日経メディカルオンラインでは、医学生に対して「聖路加と中部病院のどちらで研修をしたいか」というアンケートを行った。

「留学につながる」「忙しい」
 結果は下図の通り、互角に近い。「屋根瓦式でしっかり学べそう」「米国留学につながる」「症例数が多い」というプラスの評価も、「忙しすぎる」というマイナス評価も共通している。

 では、2つの病院の本当の姿はどうなのか。2年目研修医の生活を中心に、比べてみよう。


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