聖路加と沖縄県中─。新臨床研修制度開始前から独自の研修で多くの優れた医師たちを育成、輩出してきた両病院。だが、その研修システムの細部は意外に知られていない。超ハードだが確実に実力が付くと評判の研修の実態、院内の雰囲気、出身者たちのカラー…。関係者への徹底取材で日本を代表する研修病院のすごさを明らかにする。


 青木眞、岩田健太郎、葛西猛、田中和豊…。聖路加国際病院(東京都中央区)と沖縄県立中部病院(沖縄県うるま市)で研修したOBの名前を挙げていくと、若手医師や医学生があこがれる“カリスマ医師”たちの名前が並ぶ。この事実が両病院の研修病院としての実力を如実に現している。

 新医師臨床研修制度が始まるはるか前から、医師の育成に力を注ぎ、新制度のモデルになったともいわれた両病院。新制度が始まり、多くの市中病院で研修ができるようになった今も、その人気は揺るがない。

 この2つの病院に共通するのは、米国式医療や研修の影響を強く受け、若手医師もそれぞれの役割を持ち、医療提供を支えていることだ。そして、それらが研修医の人気を集める大きな理由となっている。

 そのベースにあるのが、エビデンスを重視した標準的な医療と、1年目を2年目が教え、2年目を3年目が教えていく、いわゆる「屋根瓦方式」での教育だ。この2つが車の両輪となり、理想的な研修環境を作り上げている。

 充実した教育体制によって、大学医局からの派遣に頼らずともスタッフが確保できるのも2病院の特徴。生え抜き医師が次世代の医師を育てることで、日本の病院には珍しく、病院独自のカラーが育てられてきた。

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Photo:Toshinori Takasaki