How an iPad is replacing medical textbooks という記事を読みました。
http://www.kevinmd.com/blog/2010/12/ipad-replacing-medical-textbooks.html

 iPadで教科書を読んだり、授業の教材のパワーポイントを見たり、ノートを取ったりしているというアメリカの医学生のブログです。これを読んで、日本の医学生を取り巻くIT環境はどうかしら…と考えてみました。

 周囲を見る限り、大学にPCを持ってくる人自体、少ない気がします。もともとメカ好きな人は、PCでもiPadでもどんどん使っていますが、心底苦手そうな人もいます。医療系学生の情報教育をしっかりやらないと、医療にかかわる電子化は進まないし、医療機関同士の連携も進みづらくなりますよね。

 病棟実習中の5年生の先輩で、iPod touchに電子版の「イヤーノート」を入れて持ち歩いている人がいます。新しもの好きの先生に見せると、「いいなぁ。僕も導入しようかな。お薦めを見繕ってよ」という話になることもあるとか。iPod touchに入れてしまえば、一部の“イヤーノート否定派”の先生に見つからずに、イヤーノートを参照できるというわけです(笑)。

 でも残念ながら、普通の教科書はまだまだ電子化されていません。先日もTwitterで「医学書の“自炊”(紙の書籍などをスキャンし、電子データにすること)やらない?」という会話を見かけました。著作権法上の問題はありますが、現実として、教科書電子化の波は医学生にも押し寄せています。翻訳書ともなると、教科書以上に電子版の発行が期待できないので、「いっそ自分で」となります。中には、日本語版を待たず英語の電子版を使っている人も多くいます。英語の教科書をみんなで翻訳(して電子化)、なんてできたらステキなのにと思っています。

 もちろん紙ならではの便利さもあります。冒頭のブログを書いた医学生は相当なメカ好きのようですが、「今のところ、主流はやはり紙の教科書」と言っています。確かに「紙の方がいいなぁ」と思うことは多々あります。例えば、気になる個所にマーキングをしたり、付せんを貼ったり、まとめノートを作る、といった場面ですね。

 電子化された教科書や参考書にマーキングすると、該当個所の一覧が自動的に作成される機能があればうれしいですね(付せんを貼るような手軽さで)。画像などもコピペして、簡単にまとめノートを作れるようになるとか。画面に特殊なペンを当てると、その部分がマーキングされるようになる、というのもいいなぁ…(任天堂DSのお絵かきソフトみたいに)。

 私は気になった論文をPDFにしておいて、後で「Good Reader」(iPhoneアプリの一つ)で移動中に読む、ということをよくやります。紙の文書をスキャンするときは、後で検索できるように「透明テキスト付き」という設定にするのですが、読み取りの精度が低いため、ちゃんと検索できないのが悩みです。医学用語は難しいから仕方ないけど…。

 データは「Dropbox」などのオンラインストレージ(どこからでも、ネット経由でファイルを保管できるディスク)に置いておき、自分がマーキングした所がそのまま反映されるという仕組みがあれば最高!これができたら、スマートフォンで移動中にマーキングしながら勉強して、帰宅後にPCからそれを印刷、というステキな使い方ができます。

 大学にも、情報共有の仕組みを拡充してほしいと思っています。教員が作成した授業用のテキストやパワーポイントを電子データで配布したり、練習問題をネット上で解けるようにしたり、といったことです。教員が用意した授業用のテキストに、PCで書き込めるようになれば、どれだけ楽になることか。医学生の腱鞘炎も改善されるでしょうし、学生同士での共有もしやすいです。

 患者さんの写真や検査データなど、慎重に扱わなければならない部分もありますが、それでもできることはたくさんあると思います。もう少し色々な情報が電子化され、サービスが発達して、この重た〜いかばんから解放される日を夢見ています(笑)。(水)