読売新聞社が運営する医療系サイトyomiDr.の2010年8月17日付け記事で「医学部の地域枠、16大学定員割れ…読売調査」というのがありました。日経メディカル オンラインも、8月10日付けで「学生の質の低下、将来の医師過剰―医学部定員増への不安の声続々」という記事を掲載しています。

 yomiDr.の記事によれば、地域の医師不足解消を目的に作られた医学部の地域枠が、2010年度に16大学で定員割れだったそうです。「長崎大では5人の地域枠に3人しか志願がなく、合格者はゼロ。宮崎大では10人の枠に24人が志願したが、センター試験の成績が合格ラインに達せず、合格者は2人だった」とか。

 この2つの大学の対応には、大学としてのプライドを感じます。

 入学定員の半分近くが地域枠という旭川医大は、募集50人に対し合格者が22人だったそうです。吉田晃敏学長は「地域枠は、地元の学生を大切にしているメッセージとして意義がある。今後も続けたい」として、11年度から合格基準を引き下げて確保に努める考え、とあります。

 この旭川医大の対応は、なんか違うんじゃないかと思います。その枠をアテにして勉強しない受験生が出てくる、というのは言いすぎかもしれませんが、他の地域から来ようとしている受験生に対し不公平感が強くなる気がするのです。

 それに、合格ラインを下げてもまた人が来なかったら、もう一度下げるの?

 今ですら各大学は、高校で物理を選択しなかった学生向けに教養課程で物理の特別講義を用意するなど、入学者の学力低下への対応に苦慮しています。さらにレベルが下がれば、もっと苦労するだけでなく、国家試験の合格率が下がり、さらに受験生が集まらなくなる、という負の連鎖に陥りそうです。わざわざ苦労を背負い込むなんて、なんてもの好き?と思ってしまうのですが。(水)