ゴールデンウイーク中の4月30日〜5月2日、4月14日と16日に大きな地震があった熊本県に、医療ボランティアに行ってきました。

 今回のボランティアは、 一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ mediPhone(メディフォン)事務局から派遣されたものです。mediPhone救急医の嘉村洋志先生とともに、理学療法士、医学部生、大学生の計5人で現地入りし、NPO法人やボランティア団体の活動をお手伝いしました。

3日目に訪問した熊本赤十字病院にて。右から2人目が筆者。

 1日目は被害が大きく報道も盛んだった益城町にほど近い御船町で、10カ所の避難所を回りました。ここでは、50人以上の被災者の方々の相談を受けました。2日目は熊本市内の避難所や戸別訪問を行い、医療相談や家屋の復旧作業のお手伝いをしました。3日目は、熊本県庁内の精神保健福祉センターに設けられたDPAT(災害派遣精神医療チーム)本部の見学と、熊本赤十字病院の先生にお話を伺いました。

御船町役場にて、各県から派遣されたDMATやDPATと町役場の連絡会議に参加しました。毎日活動前(朝)と活動後(夕)に会議を行い、町全体の状況が把握できるようになっていました。

想定外の出来事が起きても、災害訓練は生きる
 熊本赤十字病院の救急科の医師から聞いたお話で、印象に残ったことを紹介したいと思います。

 16日の本震で救命センターの非常用電源が使えなくなり、急きょ廊下で診療を行うことになりました。災害訓練は行っていたものの、このような事態は想定外だったとのこと。しかし、「訓練で培っていた考え方をもとに行動するからこそ、緊急時に動くことができた。訓練は絶対に行うべきだ」ということを強調されていました。

 うまくいったこととして、2つを挙げられていました。1つ目はX線画像のモニターの前に整形外科医が張り付いてその場で診断し、その後の処置を指示して処置エリア に患者を運んだ、という点です。あらかじめ決まっていた流れではないのですが、自然とできたそうです。また、薬の処方は処置室で薬剤名を指定するのではなく、「鎮痛薬」「抗菌薬」など、外傷の処置に当たった外科系の医師が大まかに指定し、後から薬剤部にいる内科医が細かい処方を行いました。こうした工夫により、患者の流れがスムーズになったということでした。