貴重な「米国以外」への留学経験談
 後半は、米国以外の経験談。なぜその国へ留学することになったのかという経緯や、実際に留学した感想などに重きが置かれていた。講演の中である先生が語っていたように、やはり日本では留学先の候補として一番先に挙がってくるのは米国だろうと思う。先進医療の導入が早く、なじみの深い国であることもあり、これからも米国はその地位を他へ譲ることはないだろう。このセミナーでも、米国以外の国を留学先として扱ったのは初だという。私がこの第2部を通じて最も勉強になったのは、留学には米国以外にも種々多様な形があることだった。

 例えば、マレーシアへの留学の動機について、講師の先生は日本にいるよりも多くの症例を担当できるという点を何よりのメリットとして挙げられていた。それから、他の先生方も述べられていたように、文化の違いを体感できること。これは留学をすることで得られる大きな利点であろう。

 ただでさえ留学に関する情報は少なく、さらに米国以外となるとほとんど触れたことがなかった私にとって、この第2部は非常に有意義なものだった。留学の多様性を知ることができたことが本セミナーで得られた最も大きな収穫であり、留学への考え方も変えた。また、留学に関する情報に加え、講師の方々が励ましの言葉を掛けてくださったことは非常にありがたかった。留学への道のりは孤独だが、今後の励みとしたい。

 全体を通して、留学を目指したいという自分の思いが変わることはもちろんなかったが、私の中で留学がどのような意味を持ち、どのように位置付けるべきなのかについて、深く考えさせられた。USMLEの合格だけを目標とするのではなく、他言語によって別の思考回路で医学を捉え直せるということ、留学自体を目標とするのではなく、留学した先で何をしたいのか、そのためにはどのような計画をすべきなのか、また何を学ぶべきなのか――。留学を目指し努力を重ねている最中に立ち止まり、こうしたことを考えてみるのは難しいことだろう。しかし、私は今回のセミナーに参加することで自身にもう一度問いかけることができ、そして考えを深めることができたと思う。