10月3日、日米医学医療交流財団主催の医学医療交流セミナー「Where to Go? 留学はどこへ?」に参加した。前半は米国への留学、後半では米国以外(マレーシア、オーストラリア、フランス) への留学を主なテーマとして扱う2部構成。講師は、米国での医師免許を取得する際に必要となるUSMLE(united states medical licensing examination、米国医師国家試験)に最近合格したという方から、留学についての情報が少なかった時代に留学を経験した方、さらにはUSMLE対策コースなどを提供する教育企業カプランの講師などだった。そして各々が個人の経験を織り交ぜつつ、様々な視点から「留学」を話されていた。

USMLEの基本から米国で医師として働くための情報が満載
 前半は、USMLEについての話がほとんどを占めた。そもそもUSMLEとは何かということから、試験の種類や様式、さらには実際に受験するに当たっての注意事項まで話は及んだ。これらの話は、具体的に受験を考えていたり、準備を始めている人に限らず、非常に貴重な話であったと思う。というのも、一般の学生や医師では試験自体を知らない人がほとんどであろうし、知っていたとしても実際にどのような試験で、いつ、どのように受ければいいのかまで答えられるような人は少ないと思われるからだ。

 また、米国の外国人医師に対する法律や制度は日々変化している。数十年前にUSMLEを受けた人の話がそのまま適用できるとも限らない。手に入る情報の少ない学生や医師にとっては、この点だけでも本セミナーの意義は大きいと感じた。

 さらに、実際にUSMLEに合格した先生方の経験談を生で聞けたのが大変貴重だった。自身が受験を目指すに至った動機から勉強の進め方、そして合格への道程を語る先生方。その言葉からは、セミナー参加者に対し「ぜひ受験を志し、努力を重ねて合格してもらいたい」という思いが感じられた。特に強く響いたのは、受験を振り返った時の言葉だった。「USMLEの受験を通じて日本語という言語から飛び出し、全く別の視点から医学を再び見直したことで、医学への理解をさらに深められた」「受験したことで、同じ志を持つ人や応援してくれる人など、様々な人と出会えた」というメッセージは大いに参考になった。

 受験の結果は合格か不合格かということだけに帰着するのかもしれないが、参加者の前で自身の体験を語る先生方には、試験に合格しただけで得られるとは思えないほど自信に満ちあふれた雰囲気が取り巻いていたように思う。やはりこの受験に至るまでの過程が重要なのではないかと感じた。