アートの導入で新たなコミュニケーションが生まれる
 医療スタッフのみなさんは、「外出して病院以外の風景を見たい」「身体機能は落ちているけれど、以前のように表現がしたい」といった患者さんの希望を実現できないという思いを抱え込んでいることがあります。普段、患者さんにしてあげたいと思っていてもできていない課題を解決するきっかけを体験することで、患者さんと医療スタッフとの間に前向きなコミュニケーションが生まれていくと感じています。医療現場へのアートの導入が、スタッフのケアにもつながる可能性を感じました。

医療環境がより良くなるためのアートとテクノロジー
 ホスピタルアートには、療養環境に芸術を取り入れることで快適に治療を受けられる環境を作っていくという意味があります。そして、単に環境を明るくするだけでなく、患者さんや医療スタッフを前向きにさせ、医療環境やコミュニケーションを改善できる力も持っています。

 デジタルアートは、病院だけでなく、自宅をはじめとした様々な療養環境にも機材を持ち込めば実施できます。患者さんに楽しんでもらうだけでなく、テクノロジー自体が患者さん、家族、スタッフにとって夢や希望となる可能性があると思います。例えば、目線で操作できる作品を体験したとき、ある患者さんには「この技術を使えば以前のようにゲームができるのではないか」という新たな希望ができました。看護師からも、今までは叶えることができなかった患者さんの希望を、技術を使って叶える案がどんどん出てきました。

 重要なのは、病院にアートが導入されればいいということではなく、医療環境をより良いものにしようという意識だと思います。この活動によって、医療環境の改善や、良いコミュニケーションのきっかけとなるデジタルホスピタルアートを日本で広げていきたいと考えています。

 次回はいくつか動いているプロジェクトを詳しくご紹介したいと思います。

デジタルホスピタルアート:http://www.digitalhospitalart.com/