総合1位を獲得した阪南市民病院の北先生と、学生部門で優勝した5年生の山田拓君

 最後に、第2回DANCを2013年3月、沖縄県内で開催する意向である旨、宣言してDANC1は閉会となった。

 今回、DANC1で目指したことは以下の3点だった。
1.研修医・医師でも参加しやすい夜の時間帯に開催すること
2.症例にはSnap diagnosisの面白さを経験できるもの、もしくは、診断がつかなくともマネジメントしなくてはいけない、臨床を追体験できるようなものを盛り込むこと
3.医学生、研修医、指導医などの垣根を越えた交流の場を沖縄につくること               

 「そもそも鑑別疾患を挙げられなければ診断できない」と言われるように、日常診療においては、「立ち会ったその瞬間にその疾患を知っているかどうか」が、診断の正否を分けることがある。例えば、1年に数例程度のまれな疾患の場合などである。

 今回のケースカンファには、そのような疾患も含め“診断学の面白さ、奥深さ”を参加者に伝えたいという願いを込めた。徳田先生の症例では、あまり緊急性のなさそうな、軽症に思える主訴で受診する患者の中に重大な疾患が潜んでいるという大切なメッセージがあった。また、佐田先生の症例提示からは、診断に難渋していても、なんとか患者を救うべくマネジメントしなければならないという臨床医としての苦渋と責任がひしひしと感じられた。

 一つひとつの症例提示の合間には休憩時間を設け、ジャズなどを流しながら、なるべくざっくばらんに参加者同士が交流できる雰囲気づくりに努めた。こうした参加者の出会いから新しい、病院を越えたプロジェクトや交流が生まれることを期待している。

“サバイバル率”は6割台
 眠たくなる深夜の時間帯のイベントであり、いかに「参加者に飽きさせないか」ということには腐心した。お菓子、飲み物類の準備はもちろんのこと、北先生と松本先生による軽快な司会進行、8人の先生方による渾身のプレゼンテーションのおかげで、会場は深夜にもかかわらず熱気に包まれ、朝まで多くの参加者が“サバイバル”した。それでも“サバイバル率”は6割台にとどまり、いかになるべく多くの参加者に最後まで楽しんでもらえるかが次回以降の課題である。

 参加者は琉球大学の学生が約25名、沖縄県内の研修医が約20名であった。
諸般の事情で、告知が開催1週間前という切羽詰まった状況であったにもかかわらず、これだけの参加者が集まったということは、沖縄の医学生や研修医の、勉強会やセミナーに対する高い参加意欲を示していると言えるだろう。

 だが、学生時代から全国の医学生や研修医と交流を持ってきた私たちは、このような意欲の高い学生たちが、日本全国、どこにでもいることを知っている。ぜひ、沖縄だけでなく全国各地で、セミナーや交流会などをきっかけに学生や研修医が学び、交流することで、病院外でも地域独自の「屋根瓦式教育」ができるようにし、組織を越えた人と人とのつながりが育っていってほしい。そして、そんな交流が、患者さんがより良いケアを受けられる環境づくりにつながっていくことを願ってやまない。

最後に
 今回のDANC1開催に当たってお世話になった、プレゼンターの先生方、琉球大学医学部付属病院地域医療部の武村克哉先生、そして琉球大学医学部PBL勉強会の砂川惇司さんと加藤おと姫さんをはじめとするスタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。

追伸:
 全国の医学生、研修医の皆さんで、「こういうの、やってみたい」というアイデアをお持ちの方は、ぜひ一緒に活動しませんか? ご連絡をお待ちしております!!

【プロフィール】
今野 健一郎●沖縄県立中部病院初期研修医。
2011年東北大学卒。学生時代より各種医療セミナーの企画・運営に携わるほか、医学教育学会などでも医学部教育改善に関する提案を発表。医療における関心領域は救急医療、医学教育、医療行政など。2012年11月、柴田綾子と“Japan Association for Medical Education and Science(JAMES)”を設立。各種のセミナーやワークショップを鋭意企画中!

“Japan Association for Medical Education and Science(JAMES)”
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