上:VIST本体。下:VISTの画面。造影剤は空気のため、被曝の心配はありません

 ただ、この初のシミュレーション講座への参加者は、西医体の直前だったこともあって、少なかったそうです。2年生以上の医学生にももっと参加してほしいということで、医教会に声がかかったようでした。

 シミュレーション教育の話を聞いて、私自身も強い興味を覚えました。もともと、実地の臨床技術を学びたい気持ちはあったのですが、少なくとも私の学年ではこのような課外授業はなく、どのように勉強すればよいのか分からずにいたのです。

まずは事前説明会を開催
 次回のシミュレーション講座はどのように進めるのがよいだろうか。入江先生と相談しながら、色々なことを決めていきました。授業では、学生2名を一組としてシミュレーションを行うこと、医学生に対する告知や受付の窓口は、私がやることなどです。

 事前説明会を開催することも決めました。カテーテルは何のために使うのか、どのようなシミュレーターがあるのか、今回使うVISTとはどのような機械なのか、といったことを、初めてシミュレーション講座を受ける学生向けに説明するのです。

 話し合いの翌日には早速、入江先生から「事前説明会のウェブサイトができました」と連絡が入りました。それを受けて私が医教会のメーリングリストに参加募集のメッセージを流したところ、その日のうちにレスポンスが入り始め、最終的には、3年生が12人、2年生が2人の合計14人の希望者が集まりました。

回数を重ねるほどに上達していくのを実感
 事前説明会から約2カ月後の11月1日、2人1組でのVISTシミュレーション講座が始まりました。実際に手技を試した参加者からは「まるで本物みたい」「呼吸運動まで再現されていて素晴らしい」といった感嘆の声が漏れていました。

 VISTのシミュレーションを最初に行った組の2人を見ていると、使用する造影剤の量の調節や、目的の血管に到達する時間など、回数を重ねるほど上達していくのが分かりました。実地で学べない医学生の立場でも、機械を使ってこのように学べることは、驚きでした。

シミュレーション講座を企画してみたい
 また、11月には「藤田シミュレーション医学研究会」も発足しました。この会は、エコーなど「実際に自分でやってみないと上達しない」といわれる技術を、シミュレーターなどを使うことで学びたいと考える医師や医学生が集まって設立された会です。

 そして12月には「第一回藤田シミュレーション医学研究会 −心エコーシミュレーションハンズオン−」が開催され、多くの研修医や大学院の先生、医療系学部の学生が参加しました。この日は、経食道エコーのシミュレーターも使わせてもらいましたが、精密にできていて分かりやすく、参加者から「もっとやりたい」という声が出ていました。