2日目の症例検討会。グループに分かれて、検討内容をまとめていきました。

 2日目は「骨折・転倒の予防と治療」「虚弱と老年症候群」「高齢者における過栄養・低栄養」などの講義があり、その後、総まとめの症例検討会です。

 「食事が摂れない」という主訴の82歳の女性について、原因疾患だけでなく、その人に起きている病態を考えました。参加者がこの症例の問題点を挙げていき、考えられる病気との関連をまとめました。普段、大学の授業で行っている症例検討会では、単一の病名を挙げるのですが、この症例検討会では、大本の原因だけでなく、それに付随するほかの現象についても考察した点が新鮮でした。

複雑な病態を扱う老年医学の入門に
 私は「老年医学サマーセミナー」に3回参加していますが、来るたびに老年医学についての知識が少しずつ深まってきていると感じています。初めて参加した3年生のときには、医学的な解説を深く理解することができず、老年医学がどのようなものかを漠然と理解したという程度でした。学年が進むに従って、医学知識の理解が深まり、ほかの分野との違いを意識しながら学べるようになりました。毎回、何かしら新しい発見があります。

 気になる参加費用ですが、交通費は4万円まで補助がありますし、宿泊や食事代なども学生は心配しなくて済みました。開催地は軽井沢という交通の便も環境も良い場所で、セミナー前後には周辺の散策も楽しめます。

 このセミナーの何よりも魅力的なところは、参加している学生よりも講師の人数の方が多いという贅沢さです。進行面でも、コーヒー・ブレイクや懇親会など、学生が先生方と自由に交流しやすくする配慮がなされています。今回の参加者中、私を含む3人がリピーターでしたが、ほかのリピーターは「前回参加したときの講義がとても良かった。普段、大学で学べない考え方を知ることができたので今年も参加した」と言っていました。私も同感です。

 大学の講義では臓器別に疾患を学ぶことが多いのですが、現実には、人間の身体の中で個々の臓器が相互に支え合って機能しています。臓器一つひとつの機能は加齢により徐々に低下していき、高齢者になるほど「複雑系」として変化をとらえる重要性が増すと、このセミナーに参加したことで知りました。

 病院には高齢の患者さんが大勢みえます。その高齢者の病態についての考え方を身につけられるのは、心強いことです。高齢者医療に興味をもたれた皆さん、ぜひ来年、参加してみてください!

症例検討を通じて老年医学を学ぶワークショップを開催
 最後に1つご案内です。今回のサマーセミナーの受講者が中心となり、老年医学を学びたい学生のための症例検討ワークショップを企画しました。2011年2月中旬から、各種メーリングリストなどで募集を開始する予定です。募集サイトはまだオープンしておりませんので、詳しくは「日経メディカル オンライン」お問い合わせフォームでお尋ねください。


老年医学スプリングワークショップ
<会期>   2011年3月19日(土)、20日(日)の2日間
<会場>   東京大学
<概要>   症例検討を通じて老年医学の考え方たアプローチを体験するワークショップ。老年医学専門の
       先生による講演や、学生による発表なども予定。
<参加条件> 医学生(症例検討主体のため、医学部高学年の知識が必要)
<定員>   20名(予定)
<募集開始> 2月中旬から、各種メーリングリスト、Webサイトなどで告知予定。