まず、今回の大地震で被災されている方々が一刻も早く安全で安心できる生活を手に入れられますよう、また読者の皆さま、関係者の皆さまのご無事を、心よりお祈り申し上げます。

 私たちが住んでいたボストン市内の小学校教諭から、今回の大地震に関してこんなメッセージが届きました。9.11テロ(アメリカ同時多発テロ事件)で、子供の心が災害時にどんな風にダメージを受けやすいかを経験したプロの立場からのアドバイスです。


 お子さんをもつご家族の方にぜひお願いしたいのは、できるだけ子供たちに不安な気持ちを持たせないよう、特に動画を繰り返し見せることは避けていただきたいということです。9.11テロの際、ボストンでは事件から数日後に、学校から「出来るだけ子供たちにテレビを見せないように」というリクエストが出ました。

 非常に深刻な事態ですから、少しでも情報を得ようとテレビやインターネットでニュースに釘づけになる方が多くなるのではないかと思います。実際、ニューヨークで9.11テロが起きたときには、アメリカ中のテレビで同じ映像が何度も流れ、大人たちはずっとテレビをつけっ放しにしていました。その結果、多数の子供たちが、ワールドトレードセンターに飛行機がぶつかり、ビルが倒れていく映像を何度となく見ることになりました。

 映像を見て「なぜ(ぶつかるのを)止められないのか」と思った子供は多いようです。私も3年生ぐらいの子供に聞かれました。子供たちは、何度も繰り返し出てくる映像を見ると、本当に繰り返し起きているかのように思ってしまいがちです。

 純粋な感受性をもつ子供たちにとって、地震が日本の各地を揺さぶっている映像や、大波が民家や飛行場をあっというまに飲み込んでいるような映像はとても衝撃的なものでしょう。ボストンでも、今回の地震発生の翌日に、神経質になっている日本人の子供たちを何人か見かけました。映像への反応には個人差もあると思いますが、子供たちにはできるだけ、いつもと同じような週末を過ごさせてあげられたらと願います。



 このメールを受け取った私たちも、まさに一日中Ustreamを流しっ放しにし、親が映像にくぎ付けになり、頻繁に携帯メールをやり取りしていました。非常用持ち出し袋の準備中に子供が懐中電灯やラジオで遊ぼうとすると「今は大事な時なんだから!」と叱っていました。

 いつもは一切テレビを見ない生活なのに、ご飯を食べに行った先で流れていたニュース番組を、子供との話も上の空で見続けていました。都内でも余震が続き、スーパーの棚は空っぽです。原発やコンビナート火災、停電などについての情報が入ってくるたびに混乱させられ通しでした。

 冒頭のメッセージを読んで、「子供たちの気持ちをもう少し考えてあげなくては」と反省しました。我が家の三女は2歳ですが、今朝も「もうぐらぐらしないの??」と確認していました。保育園では妙にはしゃいでいましたが、やはり不安を感じているのだと思います。

 なお、子供の場合、映像を見ただけだと怖さばかりが先に立ってしまい、後でトラウマになることがあるそうなので、大人が分かりやすい言葉で、状況を説明する会話をしたり、どの程度理解しているのか、確かめるような質問をしたりすることも重要だそうです。もちろん、すべてを語る必要はありません。できる範囲で説明すればよいと思います。

 ボストンの友人たちのなかでは義援金集めやTシャツ販売などの活動が始まっており、励まされます。私も精一杯お手伝いしたいと思います。

 被災地の妊婦さん、出産前後の方、産後のトラブルで悩んでいる方など、ぜひご連絡いただければと思います(編集部注:吉田穂波先生への相談のメールは、吉田穂波先生へのご連絡であることを明記のうえ、編集部のアドレス nmo-s@nikkeibp.co.jp までお送りください)。

 最後に、読者の皆様に1つお願いです。次のページの英文は、ボストンにいらっしゃる樽井智先生、智子先生ご夫妻が作成されたもので、募金を呼びかけるメッセージです。もし海外から安否を気遣うメールが届いたなら、これをぜひコピペしてご活用ください。

 私も、最初のうちは「うちは大丈夫!」とお返事していましたが、考えてみれば、被災地の方々は大丈夫ではないのです。メールをくれた友人たちは「何かしてあげたい」と強く思ってくださっている様子なので、募金をお願いすることにしました。直接お役に立てない私たちがとれるアクションの1つとしてご紹介します。