「うちの仮設に是非、健康相談に来てほしい!」

 東松島市のとある仮設住宅の方々の要望に応える形で、「健康カフェ」プロジェクトは始まりました。当時は避難所が次々と閉鎖され、被災者が仮設住宅へと移って行くフェーズにあり、仮設住宅の住民からは、新しいコミュニティに対する期待や不安、また行政への不満などが多く出ていました。「高齢者の世帯が多く、健康不安が大きい」「医療機関へのアクセスが悪く受診中断などが懸念される」との声も目立ち、仮設住宅における保健予防活動の必要性を痛切に感じました。

 そこで東北の文化である「お茶っこ」と「健康相談」を合体させたイベントを開催しようということになり、企画したのが、この「PCAT便り」でも1度ご報告した、「健康カフェ(お茶っこ健康相談)」です。

(左)気仙沼の仮設住宅での健康カフェの様子。血圧を測りながら健康相談にのる。和やかな雰囲気の中でお茶を飲みながら、住民の方が色々な話をする。
(右)「PCATお茶っこ健康相談会」のカフェ看板。

 それから9カ月が過ぎ、お茶っこ健康相談も一つの区切りを迎えました。ここでカフェ形式による、職種横断的な健康相談が果たした役割や今後に向けての課題を整理しておきたいと思います。

週末に健康カフェ、平日は健康相談会
 第1回健康カフェ(お茶っこ健康相談)の開催が実現したのは2011年8月21日のことでした。仮設住宅の集会場を借り切って、コーヒー、ハーブティー、ソフトドリンクなどを、無料で住民の皆さんに提供しつつ、さまざまな医療職(医師、看護師、助産師、薬剤師、臨床心理士など)が血圧測定や、傾聴、健康相談などを行いました。約300世帯規模の仮設住宅で、5時間“開店”し、60人以上の住民の方が来場しました。

熱心に住民の方の健康相談にのる臨床心理士の浅見氏。

 その後も、週末の健康カフェは毎月1〜2回のペースで続き、2011年8月〜2012年4月の9カ月間に、東松島市と気仙沼市でそれぞれ6回ずつ開催しました。地元の方々の参加人数はのべ500名以上に達しました。平均すると1回当たり約40人です。

 2011年10月からは、現地の常駐スタッフ(看護師、臨床心理士など)による平日の健康相談会も開始しました。こちらは、2010年10月〜2011年3月の6カ月間に、東松島市、気仙沼市、石巻市の複数の仮設住宅で計76回開催し、約960人の住民の方々にアプローチすることができました。平均すると、1回当たり約12人参加したことになります。

 特に気仙沼では、被災した地元のカフェ事業者(アンカー・フルセイル・コーヒー)の協力で、コーヒーとお菓子を提供することができ、参加者にも大変喜ばれました。