「健康カフェ」の模様。仮設住宅の集会場を利用して行われました。

 「人が全然来なかったらどうしよう」。これが当初の不安でしたが、杞憂に終わりました。その日は雨だったにも関わらず、10時の開始直後から高齢者を中心にどんどんと住民の方々がやってきました。「お茶が飲めるっていうから来た」という方、「健康相談ができると聞いて」という方、お友達に誘われてくる方など様々でした。

 慢性疾患を抱える高齢者の方には、血圧を測りながら、どのようなことに不安を感じているかといったお話を伺いました。ほとんどの方は通院されていてお薬も内服されていましたが、やはり通院は不便であること、以前のように近くに医療機関がないことの不安などを語られました。

 また日常生活の場面で不安を抱える方も多く、震災後しばらくは、夜間に突然動悸を感じて眠れなかったこと、避難所での便所掃除がつらかったことなどを切々と話された方もいました。「とにかくすることがなくて困る」という言葉は、特に印象的でした。

 ある高齢の女性は、避難所から仮設住宅へ移った当初「狭くてパニックみたいになった」とおっしゃっていました。トイレや風呂に窓がないこと、壁が薄くて隣の声が聞こえること、夏は冷房が効きにくいこと、これからは冬の寒さがとにかく心配、などといった声も多く聞かれました。

「健康カフェ」スタッフの集合写真。医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、司法書士、カフェスタッフなど多職種が参加しました。

 今回、多職種のスタッフで対応したことが大いに役立ちました。医師だけでなく看護師や薬剤師がじっくり耳を傾けてお話を聞き(傾聴)、またメンタルな内容が中心の方には臨床心理士が対応しました。法律相談に来たという方はありませんでしたが、お話を聞いた結果、司法書士さんの視点で今後援助できそうな部分が見つかった方もありました。

 何よりも、本格的なハーブティーや日本茶を提供してくれた坂田さんたちのおかげで、仮設住宅の人々が集まりやすい状況ができ、またリラックスして話をしていただけたと思っています。

「健康カフェ」これからも続けます
 参加された現地の方からは「今後もぜひこのような会を続けてほしい」という声をいただいて大変勇気づけられました。この仮設住宅には400〜500人の方がいらっしゃるのですが、第1回は64人の方が来場され、その大半の方からお話を伺うことができました。また、カフェとしても147杯のドリンクを提供することができました。

 このような活動によって、行政や現地医療機関へ住民の声やニーズを伝える橋渡しの役割、そして主に傾聴を継続していくことによる心のケア、仮設住宅内のコミュニティ形成にも貢献できるのではないかと考えています。また現地の方々の「生の声」を、このような形で多くの人に伝えて行くことも私たちの使命だと思っています。

 今後PCATでは、いくつかの仮設住宅に対して今回のような形での継続的な支援を計画しています。健康相談を目的としたカフェ形式でのイベントも続けて行く予定です。またPCAT「こころのケア」チームによる、大人と子供の両方を対象としたレクリエーションやアートセラピーなども計画しています。

 この場を借りてあらためて、今回の健康カフェ・プロジェクトに携わり、参加してくださったスタッフの皆様、現地ボランティアの方々、協力してくれたすべての人に感謝したいと思います。