日本プライマリ・ケア連合学会の東日本大震災支援プロジェクト「PCAT」の産婦人科支援チーム「PCOT」は、6月以降、宮城県石巻市の開業医「あべクリニック産科婦人科」に、月2〜3回の当直支援を行ってきました。私も、8月初旬に、週末の休みを利用してあべクリニックで当直をしてきましたので、その詳細をご報告します。

 被災地を支援したいと思いながらも、多忙なために動けずにいる産婦人科医は全国に少なからずいると思います。そんな皆さんに、このような支援活動があることを知っていただき、支援の輪をさらに広げたいと考えています。

念願の当直支援がようやく実現

石巻市にあるあべクリニック産科婦人科の外観です。

 私は現在、北里大学医学部公衆衛生学教室の助教として働いており、毎週のように学生への講義があります。PCOTの活動に初期から関わってきた者として、被災地の産婦人科の当直支援に行きたいとずっと思っていましたが、なかなかその時間がとれずにいました。

 私はPCOTの活動のほかに、石巻で2回に渡って開催された「復旧・復興作業に携わる者のための呼吸用保護具の適正使用に関する現地特別セミナー」という、マスクの正しい使い方を指導する講習会にも携わっています。今回は、その合間を縫っての当直支援となりました。

 実際に私が当直したのは8月6日土曜日の19時から7日日曜日の18時まででした。8月6日土曜日の午後は仙台で、「だいじょうぶ? 被災地のアスベスト—マスク支援プロジェクトからの提案 in 仙台」というイベントの講師として、N95マスク(防じんマスクDS2)の正しい使い方を教えていました。その後、石巻に向かいました。本来は土曜日の13時から当直するところを、仙台で講習会の予定があったので、阿部先生に無理を言って、時間を遅らせていただきました。

 ちなみに、東京から仙台までは新幹線で2時間ほど、仙台から石巻までは、1時間に2便ほど出ている高速バスを使って、約1時間半です。さらに、あべクリニックへは、石巻駅からタクシーで10分ほどで行けます。

市の休日診療当番も担当
 PCATから阿部クリニックへの当直支援はこれで3回目とのことでしたが、今回は市の休日当番医に当たっていたため時間外の診療も担当しました。当直中の分娩は1件、時間外診療は5件で比較的落ち着いていたと思います。以下、あべクリニックでの当直についてできるだけ具体的にご報告します。

分娩室です。畳の上でのフリースタイル出産が中心でした。

 あべクリニックでの分娩方法は、特段の問題がない妊婦の場合は、畳の上でのフリースタイル出産が中心でした(写真)。当直医は、排臨(陣痛と共に、赤ちゃんの頭が見え隠れする状態になること)の直前に呼ばれるのですが、病院の内線電話が復旧していないため、持参の携帯電話に電話してもらっていました。