支援メンバーの日程を数週間先まで調整した後のことで、日程を今さら変更することもできず、往復の行程を工夫して、短時間でも引き継ぎの時間を捻出するしかありませんでした。当時、派遣医師の方々の標準的なスケジュールは、1日目に東京で派遣前研修を受けていただいて、その日は東京泊、翌朝の高速バスで出発して夕方に現地入り、3日目から活動開始、という流れでした。

 しかし、引き継ぎ時間を確保するため、派遣前研修のその場で「研修終了後、適宜ご夕食をおとりいただき、深夜バスで出発していただきます」とお願いをし、翌朝、現地に着くと、午後までの数時間で顔合わせと引き継ぎをしていただき、そのまま活動開始という強行スケジュールでお願いしたこともありました。

 現在は被災地に長期滞在していただいている医療者や事務スタッフが増えたうえ、1回の支援期間が1週間というのではなく、比較的長期にわたって支援される方々が増えましたので、以前より無理なく引き継ぎができる体制となっています。

現地入りに欠かせないもの
 現地入りする方々に、名刺や名札、連絡先一覧を作ってお渡しすることも大切です。また、支援に入る方々だけでなくそのご家族などの緊急連絡先を把握しておくことも大変重要でした。最近は余震もかなり減りましたが、支援活動中に大規模な余震があった場合には、速やかに東京本部で現地の先生方に安全確認をとり、ご家族に無事を伝える必要があるからです。

 被災地からのリクエストで物品を送ることもありました。例えば、被災地の先生から「至急、耳栓を届けてくれ」という連絡が来ました。避難所では大勢の方が共同生活をされていますので、咳や物音でよく眠れない、と訴える方が多かったのです。このときは、やはり東京本部近くのドラッグストアを回って相当数の耳栓を買い集め、現地に送りました。送るといっても、当時宅配サービスは完全復旧していませんでしたので、次に支援に行かれる先生の移動に合わせ、車で運んでもらいました。

 東日本大震災から3カ月以上が経過した現在は、交通や輸送などのインフラの多くが使えるようになり、物資の手配でも、震災直後のような苦労はありません。今の私の仕事は、PCATプロジェクト全体の予算管理と、各業務の進行管理です。

 どの業務も初めての経験で、思うようなスピードが出ないのですが、日々勉強をさせていただいています。次回からは、事務局担当として、日々現地やプロジェクト内で起きていることを少しずつお伝えしていきます。

 PCATのこれまでの支援活動や、被災地への派遣につきましての詳細は、下記のPCAT Webサイトをご覧ください。

http://pcat.primary-care.or.jp/